『パブリック 図書館の奇跡』(原題:The Public)
監督:エミリオ・エステヴェス
出演:エミリオ・エステヴェス,アレック・ボールドウィン,ジェナ・マローン,テイラー・シリング,
クリスチャン・スレイター,チェ・“ライムフェスト”・スミス,ジェイコブ・バルガス他
なんばパークスシネマ地獄にハマってハシゴの2本目。
監督・脚本・製作・主演、すべてエミリオ・エステヴェス。
私は「本は買う派」なので、図書館には高校時代にかよったのを最後に、
仕事で利用する以外はほとんど縁がありません。
でも本が大好きだから、タイトルに「図書館」とある映画はスルーできない。
着替えや洗面等、身支度を整えるためにホームレスもやって来る。
図書館員スチュアートはそんな彼らとも顔見知りで、融通を利かせること多数。
しかしある日、館長から呼び出され、自分が訴えられていると知る。
あるホームレスが、スチュアートに追い出されたと言うのだ。
市長選に出馬予定の検察官ジョシュが関わっており、
この件を上手く利用して市民の人気を得ようとしているのがありあり。
真面目に働いてきた自分がなぜ訴えられなければならないのか。
解雇されるかもしれず、悶々とするスチュアート。
そんな折、シンシナティに寒波が襲来。ひと晩外にいれば間違いなく凍死する。
市のシェルターは満杯で、行き場を失ったホームレスが図書館に押し寄せる。
およそ70人のホームレスたちは閉館時間になっても退出しようとせず、
今晩くらいは図書館に泊めてくれと3階フロアを占拠するのだが……。
平和に話が進んでいた序盤、ちょっと寝ました(笑)。
騒動が始まるところからはしっかり目が覚め、二度と睡魔には襲われず。
開館を待つホームレスが列をなす状態に驚いたのですが、
日本の図書館でもこういうことがあるのでしょうか。
ホームレスたちはトイレに直行して、歯を磨いたり体を拭いたり。
でもそれだけじゃなくて、彼らは読書が大好きなんです。
やたら博識な人もいたりして、見た目だけで人を判断しちゃいけないとしみじみ思う。
彼らはたったひと晩、寒さを凌ぎたいだけ。
穏やかなデモのはずなのに、どうしても悲劇に仕立てあげたいアホなキャスターが、
スチュアートが読み上げる『怒りの葡萄』の一節をまったく知らず、
アホ丸出しの表情をしていたとき、スチュアートの同僚マイラのツッコミが傑作でした。
図書館にお勤めの方は本作を観て誇りに思うはず。