さても このごろは、昔のことが しきりに思いだされる・・・
悪い人っているもんだなあ。
そう、よく行っていた瓜小屋で、一人で番をしていたときのこと。
ちょうどスイカの収穫の頃で、てて親は 採れたものを町まで売りに行っていた。
暑い昼下がりのことで、わたしは小屋に寝ころんでいたが、見知らぬ小父さんが、「スイカをもらいに来たよ」と親しげに話し掛けてきたのよ。
わたしが、てて親が出掛けているので分からないと言うと、
「お父さんには話しているので、一つもらって行くよ」
と言って、町にある料亭の名前を言いました。
そこは、これまでにも てて親がウリやスイカを売りに行っていた所なので、わたしは安心して畑を見てもらいました。
小父さんは、てて親がわざわざ残していた一番大きなスイカを取ると、持ってきていた風呂敷に包んで、「お金は、店の帳場に取りに来るように言っていたと、お父さんに伝えてくれ」と言って、にこにこしながら帰って行った。
てて親が帰って来たのでそのことを伝えると、不思議そうに首を振りながらその料亭へ出掛けて行ったけれど、「うちが、畑までスイカをもらいに行くことなんかない」という返事だったそうです。
子供が一人で番をしていると思って、あの小父さんは気の良さそうな顔をして、まだ小さなわたしをだまして盗んでいったのよ。
あの時のくやしさは、今でも忘れられないなあ。
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