雅工房 作品集

長編小説を中心に、中短編小説・コラムなどを発表しています。

ままならぬ ・ 小さな小さな物語 ( 952 )

2017-04-22 08:58:38 | 小さな小さな物語 第十六部
ワールドベースボールクラシック大会、わが日本チームは準決勝でアメリカチームに敗れました。残念。
あそこでああしておけば、あれさえなければという思いもないことはないのですが、そのような事が自由にできるのであれば、野球なんてつまらないものになってしまうことでしょう。
とはいえ、やはり、何事につけ、「ままならぬ」ことは多いものです。

折から、選抜高校野球も行われています。まだ始まったばかりで一部のチームしか登場してきていませんが、プロ野球選手に比べると実に可愛いものです。野球の技術的なレベルだけでいえば、ワールドベースボールクラシック大会でベスト4に残るチームなどとは大差があるのでしょうが、野球に対する姿勢、勝利への熱意などにおいては何ら劣ることはないと思われます。
しかし、いくら熱意があっても、いくら練習を重ねてきたといっても、なかなか思い通りにはいかないことが多いはずです。
とんでもない負け方や、タイムリーエラーなど、まるで人生最大の失敗と思うような思いをすることも、多くのスポーツ選手が経験しているようです。

しかし、それらのみじめにさえ思う経験も、ある程度の時間が経てば、かなり違うものとなり、時には掛け替えのないほど貴重な経験になることも少なくないようです。
そもそも、この世の事は、「ままならぬ」ことに満ち溢れているような気がします。何もかもうまく行ったと万々歳するような事があっても、その多くは、未熟からくる錯覚の場合が多いようです。

スポーツなどをテレビを見ながら論じることは簡単ですが、「ままならぬ」ことは、時には私たちを苦しめることになります。
この世には「ままならぬ」ことが満ち溢れているなどと、まるで達観しているようなことを言うことは出来るのですが、いざ、我が身に降りかかることになると、「あれとこれとは違う」などと自分自身に言い訳しながら右往左往し、限りなく落ち込んでしまうことを再三経験してきました。
従って、「『ままならぬ』ことに直面しても、悲観しすぎることは良くない」などというアドバイスはほとんど役に立たないと思うのですが、それでもなお、私たちは、「ままならぬ」ことと二人三脚で生きていくものだと承知する必要はあるようです。

( 2017.03.23 )

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