雅工房 作品集

長編小説を中心に、中短編小説・コラムなどを発表しています。

ライオンの如く ・ 小さな小さな物語 ( 951 )

2017-04-22 09:00:12 | 小さな小さな物語 第十六部
「三月はライオンの如くやってきて、ヒツジのように去っていく」というのはイギリスの諺らしいのですが、確かに三月は何かと激しいようです。
この言葉は、イギリスの三月の気候から生まれたものだと思うのですが、わが国の三月もなかなか激しい季節といえます。暑さ寒さが行ったり来たり、それもかなりの温度差や、地域によっては大雪もありました。
しかし、さすがにお彼岸ともなれば、どうやら本格的な春の訪れとなり、ぼつぼつ桜の便りが話題にのぼってきているようです。

気候の方は、どうやらライオンの登場から、ヒツジの出番に移りつつあるようですが、社会の動きはむしろ激しさを増しつつあるようです。
わが国を取り巻く近くの隣国や遠くの隣国の穏やかでない動きは、ライオンのような激しさではないとしても、ボディーブローのようにわが国の社会に不安を積もらせているような気がします。
その上に、わが国の首都とはいえ、一地方議会のトラブルが、政争の様相を呈しています。その上に、大阪府で私学の学校を作るや作らないやといった程度のことから、こちらも格好の政争のネタに育ってしまいました。
この東西でのトラブルの要因の一つに、汚染土壌処理が絡んでいることが、何とも不思議な気がします。

東の方では、汚染処理費を「お上(オカミ)」が丸受けしたことが一つの問題となっており、西の方では、汚染処理費を「お上」が買主の申し出通りに認めたらしいことが問題になっています。
どちらが正しいのか、そもそもこのような手法があって良いのかどうかも知らないのですが、汚染処理費というのは、誰かにとって金の卵ではないのかと思うのは下種の勘繰りでしょうか。
いずれにしても、この三月というのは、天下国家にとって大事が山積している時期で、「お上」には「獅子奮迅の活躍」をお願いしたい時期だと思うのですが、そのような事態に対してはヒツジの如くでいるように見えてしまいます。

選抜高校野球大会が始まりました。
開会式における女生徒の国歌独唱に感動しました。そして、最初の試合は延長戦にまでなりましたが、残酷なもので、一試合終わるごとに一チームが甲子園を去っていくという厳しい現実が続くことになります。
それだからこそ一試合一試合の緊張感は強く、見る者に感動を与えてくれるのでしょう。
三月には、ライオンもヒツジもやって来るようですが、それぞれと仲良くし、せめて高校野球で心を洗い清めたいと思っています。

( 2017.03.20 )

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