雅工房 作品集

長編小説を中心に、中短編小説・コラムなどを発表しています。

我が心はなお燃えて

2021-10-23 08:00:55 | 古今和歌集の歌人たち

       『 我が心はなお燃えて 』

                    作者 こまちがあね

     「 あひ知れりける人の、やうやく離(カ)れがたになりける
       あひだに、焼けたる茅(チ)の葉に文をさしてつかはせり  
       ける 」
   『 時すぎて かれゆく小野の 浅茅には 
             今は思ひぞ 絶えずもえける 』 

( 巻第十五 恋歌五  NO.790 )
      ときすぎて かれゆくおのの あさじには
               いまはおもひぞ たえずもえける

☆ 作者の出自などはまったく不明。「小町の姉」つまり小野小町の姉とされることが多い。

☆ 歌意は、「季節が過ぎて 枯れ果ててゆく野原の 浅茅(小さな茅)には 今は野焼きの火が燃えているように 盛りを過ぎた私から あなたの訪れは遠のいていますが 私の思いの火は 今も絶えず燃えているのです 」といった激しい恋慕の歌といえましょう。

☆ 作者の消息を尋ねる手段はまったくありませんが、いくつかの推察は可能です。
まず、作者が本当に小町の姉だと推定した場合、作者の名前は「町」だという推定が成り立ちます。当時の女房名なので、「町」の妹を「小町」と呼ぶのはよく例があります。もちろん、本名か通称かははっきりしませんが。
ただ、他の歌集などに、「こまちがまご」「こまちがめい」「こまちがいとこ」といった名前も登場しているようなので、実在が薄れるような気もします。
また、この歌そのものが、小野小町の作品ではないかという意見もあるようです。
 
☆ そもそも、小野小町という人が絶世の美人であったことは厳然たる事実のように伝えられていますが、そのことも含めて、実在と伝説の狭間に存在しているような女性ですが、生年が 825 年頃で没年が 900 年頃というのがほぼ定説化されているようです。
もし、そうだとすれば、古今和歌集の撰者である紀貫之の生没年は ( 872 - 945 )、凡河内躬恒の生没年は ( 859 - 925 ) とされていますので、小野小町や「こまちがあね」とほぼ同時代の人といえます。つまり、この二人の実在性をかなり正確に掴んでいたように思われるのです。

☆ 本稿では、「こまちがあね」は実在の女性と考えたいのです。
この歌の作者「こまちがあね」が後世に足跡を残すことがなかったのは、宮廷や有力貴族よりも下位の貴族に仕えていた女房なのかもしれないと思うのです。もちろん、絶世といかないまでも大変な美人で、歌の上手であったと想像したいと思うのです。この歌が、小野小町の作品だという声もあるようですが、それは逆で、小野小町の作品が「こまちがあね」の影響を強く受けていると考えられないでしょうか。
そして、この二人に共通していることは、激しい恋に生きた女性であって、この歌は、「こまちがあね」が後世に伝える数少ない息吹だと考えたいのです。

     ☆   ☆   ☆    

 

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明日は霜降

2021-10-22 18:18:04 | 日々これ好日

       『 明日は霜降 』

    明日は 二十四節気の「霜降」
    何とも寒そうな名前だが 
    名前に違わず 全国的に 寒い一日だったようだ
    当地などでは 明日は 木枯らし1号が吹きそうだ
    木枯らしは 関東地方と近畿地方で発表されるが
    その基準は 少し違う
    気圧配置・風向き・風速8mなどは共通しているが
    期間は 関東では 10月半ばから11月末まで
    近畿では 霜降から冬至まで だそうだ
    つまり 当地などでは 最も早い木枯らし1号になりそうだ
    くれぐれも 風邪など召されぬように

                   ☆☆☆ 

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緊急事態宣言解除とは?

2021-10-21 18:30:21 | 日々これ好日

     『 緊急事態宣言解除とは? 』

    緊急事態宣言も 蔓延防止等重点措置も
    すべての地域で解除されたが 
    飲食店などへの営業制限は 依然続いている地域がある
    これ どういう事かな? と思ってしまう
    解除されても 急に無防備になってはならない などの意見が強いが
    それなら 蔓延防止等重点措置なり 何らかの制限をかけるべきだ
    コロナは怖い その怖さは 嫌というほど思い知らせた
    だからといって 警報を鳴らし続けることが 正義ではないはずだ
    西洋諸国に比べて 差がありすぎるような気がしてならない

                      ☆☆☆ 

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阿蘇山が噴火

2021-10-20 18:39:51 | 日々これ好日

      『 阿蘇山が噴火 』

    阿蘇山が噴火した
    わが国を代表する火山であり 
    2000年代に入ってからも 何度か噴火しており
    特別驚くほどでもないが
    噴火の映像を見ると やはり 恐ろしい
    しかし こうした荒ぶる山々の 恩恵のもとに
    我が国土が 存在しているともいえる
    ただただ 噴火が激しさを増さないことを 
    祈りたい

                 ☆☆☆

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いよいよスタート

2021-10-19 18:25:41 | 日々これ好日

      『 いよいよスタート 』

    衆議院選挙 本格的にスタート
    早速 電話でのアンケートが 二社から
    自動音声での質問に 辛抱強く答えた
    これ 下馬評の一端を 担うことになるのかな
    世論調査の結果と 自分の意見の 乖離(カイリ)が楽しみ

                ☆☆☆

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十三夜

2021-10-18 18:11:14 | 日々これ好日

      『 十三夜 』

   今夜は 十三夜の名月
   栗名月とか 豆名月などの 名もついている
   それにあやかって 
   栗まんじゅう 栗入りの大福 栗入りのプリン と
   様々な物を 考え出してくれるが
   調子に乗って それらを全部食べる方も
   どうかと思う 我ながら
   そのお陰か きれいな十三夜を見ることが出来たが
   すでに 薄雲に包まれている
   それに 外は 少々寒い・・・

                 ☆☆☆

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雨のち晴れ 風強し

2021-10-17 18:47:52 | 日々これ好日

      『 雨のち晴れ 風強し 』

    当地の天候 少々荒れ気味
    朝のうちは雨 間もなく快晴 その後は曇ったり晴れたり
    ただ 冷たい風が かなり強かった
    今日は 去年掘り出していた チューリップなどの球根を
    植える予定をしていたが 風が強すぎて見送り
    やたら背が高くなっていながら 懸命に咲いているコスモスが 
    風にあおられているのが かわいそう
    季節を分ける雨だとは聞いていたが 少々やり過ぎではないかと思うほど
    肌寒い一日だった

                       ☆☆☆

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小さな秋

2021-10-17 07:58:52 | 私の好きなフレーズ

   『 「小さい秋」そのものは、私たちの日常のすぐ近くに隠れているのかも知れません。』


それにしても、すばらしい言葉というものはあるものですね。
かつて、和歌の世界では、「秋の夕暮れ」という言葉を安易に使ってはいけないという教えがあったそうなのです。その理由は、どんなに平凡な歌であっても「秋の夕暮れ」で締めくくると、名句のような感じになってしまうからだそうです。それだけ、「秋の夕暮れ」という言葉には、人々の心をひきつける力があるということなのでしょう。
もっともこれは、私が何かの本で見た記憶だけですので、いわゆる「制詞」とは違います。
「制詞」(セイシ・セイノコトバ)については、当ブログ(『言葉のティールーム・第五話』)でも書かせていただいておりますが、「霧立ちのぼる」という言葉は、余りにすばらしいので模倣してはいけないとされたそうで、他にも幾つかあるそうです。
なお、小倉百人一首にもある寂蓮法師の和歌は、
『 村雨の露もまだひぬ槇の葉に 霧立ちのぼる秋の夕暮れ 』
ですが、「霧立ちのぼる」と「秋の夕暮れ」と、安易に使ってはいけないという言葉が二つも使われているのですが、きっと、とてつもない名句なのでしょうね。
「小さな秋」もそれに負けないほどすばらしい言葉ですが、「小さい秋」そのものは、私たちの日常のすぐ近くに隠れているかも知れません。

            ( 「小さな小さな物語」 第十部 No.545  より ) 

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季節を分ける雨

2021-10-16 18:41:02 | 日々これ好日

      『 季節を分ける雨 』

    当地は 先ほど雨が降り出した
    予報では 明朝まで降り続き 北風が少し強くなるそうだ
    どうやら この雨は 季節を分ける雨になるらしい
    十月半ばで 「季節を分ける」でもあるまいに とも思うが
    今日も 日中は結構暑かった
    どうやら 雨が上がったあとには 秋本番が待っているらしい
    ただ 予感としては 十日もすれば 「晩秋の兆し」となりそうだ
    慌ただしい秋本番の期間を コロナと相談しながら
    そろりそろりと 楽しみますか

                      ☆☆☆ 

    

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キンモクセイが心配

2021-10-15 18:22:59 | 日々これ好日

      『 キンモクセイが心配 』

    わが家の 二本あるキンモクセイが 咲いてくれない
    毎年 ほぼ間違いなく 十月十五日には
    花の状態はともかく 芳しい香りを放ってくれているが
    今年は 何の気配もない
    天候のせいか 枝を切りすぎたのか 少々心配
    当地も 今朝あたりは少しひんやりしていたが
    日中はまだまだ暑い
    ただ 明日からの数日間は ほぼ全国的に
    温度差が激しいそうなので
    体調にはくれぐれも ご注意を

                  ☆☆☆  

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