マネジャーの休日余暇(ブログ版)

奈良の伝統行事や民俗、風習を採訪し紹介してます。
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やわらぎ会大和の民謡in秋篠音楽堂ホール

2011年12月08日 06時45分01秒 | 民俗を観る
「大和民謡サロン」のシリーズで「やわらぎ会による大和の民謡」を公演された秋篠音楽堂。

これまでにも数多くの伝統芸能公演を開催されてきた秋篠音楽堂運営協議会の主催事業である。

この日の公演は昭和40年に設立された「日本民謡やわらぎ会」だ。

県内をはじめとして全国を巡り採譜、演奏するなど伝統文化の伝承や普及活動をされている。

この日の演目は13曲。

踊り付きの明日香盆唄が最初に唄われた。

次の大塔村阪本の阪本踊りは「カワサキ」と「ナンチキドッコイ」の2曲続けてだ。

本場阪本ではそれがされなかった2曲に懐かしさを覚える。

「サァ ヤレオセ ソリャオセ サァ ヤトヤー ソレドッコイ 奈良で名高い 大仏さまよ」と唄う「カワサキ」。その心地よく弾けるようなリズムが気にいっている曲だ。

「イヤナンチキ、ドッコイ ナンチキ、ドッコイ」と囃し言葉も好きな1曲。

身体が自然に動き出す。

次は吉野からの紙素打ち唄と吉野紙すき唄。

「可愛いあの娘に 紙すかせよと 力惜しまず 紙素打ち」と唄う紙素打ち唄。

紙を打つコッチ、コッチのリズミカルな音に合わせて唄う。

「丹精こらして すいたる紙はヨー」と唄う紙すき唄はまったりとしている。

吉野の曲はまだ続く。

元唄の吉野木挽唄や吉野筏流し唄も披露された。

木挽唄の最後のほうに唄われる囃子に「アー シッチン コッコン」の詞がある。

やわらぎ会のI師匠の話によれば「七宝 ごっこん」であって山ノ神を指すのだと話してたことを思い出した。

長い竹で筏を漕ぐ筏師も現れてその情景を醸し出す筏流し唄。



「ハーァ 吉野川にはヨ 筏を流す 流す筏に 上がる鮎ホーイホイ」と唄う流れはゆったりとした吉野川の流れとともに唄われる。

「ここの裏家に 茗荷と蕗と(ヨイヨイ) 茗荷目出度い(ヨッコラ) ふき繁昌オモシロヤ」、「目出度目出度の 若松様よ(ヨイヨイ) 枝も栄えて(ヨッコラ) 葉も繁る(オモシロヤ)」、「お前百まで わしゃ九十九まで(ヨイヨイ) 共に白髪の(ヨッコラ) 生えるまでオモシロヤ (なんじゃいな ひょうたん ヨーイ ハァ大上じゃ ハァ大上じゃ)」と唄われる大和石搗唄。

この歌詞によく似ていたのが奈良市誓多林でのモチツキ唄。

「おまえ百まで わしゃ九十九まで(はっ) ともにいきなら こえるまでおもしろや (はぁ なんじゃいなぁ ひょうたんや イントセー イントセー)」を唄っていた。

奈良市西九条で歌われていたモチツキ唄(コヅキ)の歌詞では「目出た芽出たのイヤ 若松さまは 枝もなぁ繁ればそやで あの葉も繁るやぞ」だった。

御杖村神末(こうずえ)での石つき唄の歌詞では「目出た目出たの 若松様よ(若松様よ) 枝も栄えて(やっこら) 葉も繁るおもしろや (よのや ひょうたんや あ よっさい もっさい)」で、囃子は異なるが“茗荷と蕗”の歌詞は同じだった。

吉野町小名(こな)の千本搗きもほぼ同じようで、いずこも目出度い歌詞である。

これらの唄には地元の景観を散りばめた歌詞もみられる。

ねんねこで赤ちゃんを背負った母親が登場したる「奈良子守唄」や「北山鎌倉節」。

桜井の初瀬からは初瀬追分、初瀬おけさに最後を飾る「三輪素麺掛唄」。

聞く者、見る者をたっぷりと大和の情景を浮かばせるように楽しませてくれた。

(H23.10.22 EOS40D撮影)