マネジャーの休日余暇(ブログ版)

奈良の伝統行事や民俗、風習を採訪し紹介してます。
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北白木高オカミ神社女座のお渡り

2011年12月28日 06時44分33秒 | 桜井市へ
カシワゴハンが出されてからも北白木の女座は続く。

それから1時間。

外は真っ暗になっていた。

「ながい間、ごっつあんでした」と太夫が一言挨拶をされて座は仕舞われた。

座に集まる祭に婦人たちが持ってきた高張提灯を手にした。

拝殿には吊るされた提灯に灯りを燈されて出かけていく。



一部の提灯持ちには男性が混じっているが大勢は婦人たち。

目指すはトーヤの家だ。

暗闇の道は足元が見えない。

懐中電灯を照らしてトーヤに向かって歩くこと6分ほど。

玄関先に竹を立てて注連縄を張っていたその家に着いた。



太夫は家内で祀っていた御幣を取り出した。

神棚に向かって一礼を済ませると玄関に飾っていた二本のうちの一つの注連縄を取り外した。

そのころ高張提灯にはローソクの火が燈された。

そうして始まった暗闇道中のお渡り。

トーヤの家で祀っていた神さんを迎えに来たというのだ。

9日に受けた神さんは12日の夜に再び神社へ戻っていく夜のお渡り。



提灯の明かりが北白木の夜道を照らす。

神社への階段を登ってあがる。

先頭はトーヤが持つ神さんだ。

奇しくもこの年は仮の太夫を勤められた人がトーヤだったのだ。

到着すれば玄関に飾っていた竹の注連縄とともに神さんは本殿に納められた。



それを見守る高張提灯を持つ婦人たち。

座といい、提灯持ちといい女座の夜はこうして幕を閉じた。

かつては受けトーヤの家で座が行われていた。

そのころは着物姿だったという。

(H23.11.12 EOS40D撮影)