マネジャーの休日余暇(ブログ版)

奈良の伝統行事や民俗、風習を採訪し紹介してます。
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私がとらえた大和の民俗解説

2011年12月15日 06時45分24秒 | 民俗を語る
奈良県立民俗博物館では、玄関ホールで度々映像による民俗を紹介する展示会を開催されてきた。

どれをとっても珠玉の作品と思う秦氏が捉えたビデオ映像に野本氏の「オンダと野神行事」。

村上氏が描いた絵画作品や伝統行事として指定された「往馬大社の火祭り」もあった。

それに私自身も協力させていただいた「大和郡山の祭りと行事」も。

今回は8人の写真家による「私がとらえた大和の民俗」であった。

それぞれの視点でとらえた民俗事象を写真で描く作品群。

これが大和の民俗ではないかとテーマ組写真は3枚組。

写真展でありながら初の図録も制作された。

民俗博物館始まって以来のことのようだ。

初の試みだっただけに、ここに至るまで一年間も要した。

テーマや写真の選別はお互いが重ならないように何度も打合せをしたが、作品や解説文はそれぞれに委ねられる。

お互いの個性がここに表出されるだけに纏まりはないが、それぞれに味わいが出たのではないかと思っている。

それぞれの写真家がとらえた民俗テーマは結果的にバラエティに富んだと思う。

民俗を網羅したわけではないがなんとか立ち上がったことにほっとする。

この日はそれらの民俗を紹介する解説日。

写真家を代表して野本氏と私が壇上に座ることになった。

自分の作品だけ話すわけにはいかない。

大和の民俗を踏まえて紹介しなくてはならないから全体をふまえた解説ストーリーは難しい。

解説依頼を受けてから「あーでもない、こーでもない」と悩ましき日々を送っていた。

期日が迫ってなんとかレジメを用意した。とはいってもそれは私用だ。

ユネスコ世界遺産に登録された都祁上深川の題目立。

そこでは「おーい、写真屋」と呼ばれていると自己紹介から始めた。

祭りのイメージにはどんなものが、大和の祭りの数は、と話しながら展示テーマのいくつかを紹介していく。

今回は写真家の立場だけに、撮影にあたっての心構えなども話した。

会場には撮影でたいへんお世話になっている宮司さんや巫女さんも来られていた。

行事をされたご家族も来られていただけに緊張しまくりの解説であった。

座トーヤや行事を勤めていた氏子に祭祀を勤める宮司、巫女。

映す側の写真家と映される側、それぞれの立場で語られた会場はまるでミニシンポジウムのようになった。

(H23.10.30 SB932SH撮影)