桜井市の東部山間には高龗神社と呼ばれる神社が数社ある。
高龗と書いて「たかおかみ」と呼ばれる氏神さんを祀る地域は萱森、和田、中谷、中白木、北白木などの旧上之郷村。
昭和31年の市制の際に編入された。
北白木の集落は16戸。
高龗神社の座の営みが行われている。
この夜は女座と呼ばれる行事がある。
女座と書いて「おなござ」と呼ぶ行事は12日に行われることから十二日座とも呼ばれている。
女座というだけに婦人の集まりでもあり、社務所に上がった人たちは座の人も加わって14人。
「こんな寂しい年はなかったのでは」と話す人たち。
「これほど少なかったら解散式でもせなあかんな」という。
この年は2軒の服忌が多くあった。
それであれば祭礼には出席できない。
戸数が少ないだけに維持するのも困難になったと話すが、たまたま重なったようだ。
座の中央、上座には太夫(たゆう)と呼ばれる長老が座る。
その人も服忌であっただけに年齢は若いが仮の太夫だと言って席に着いた。
周りを囲むのは婦人たちに座の六人衆の席。
「今夜は少ないからもっと寄ろうや」と席を詰めて座った。
それぞれの席にはパック詰め料理。
そこへ温められた甘酒を給仕当番の婦人たちが配る。
昨年に収穫したウルチ米を蒸して麹菌を入れた。
それを沸かして味噌を作るような感じで発酵器に入れる。
2日間そうしておくと柔らかくなっている。
それを炊いてできあがった甘酒はとても甘くて美味しい。
米の粒が残っていて口当たりもいい甘酒だ。
実は甘酒が神さんだという。
9日は宵宮で甘酒入れの行事があった。
六人衆とトーヤ受けに給仕が拝殿で登る。
そこで甘酒の上澄みを掬いとって女の神さん、男の神さんに遷します。
甘酒は足されて繰り返すこと3回。
それがトーヤ受けの儀式で神さんを受けるのだという。
カワラケに注がれた甘酒の汁を三三九度のように回し飲む。
それが受ける儀式なのであろう。
カワラケは蓋をして神さんと呼ばれる箱みたいなものに納めて家で祀るそうだ。
翌日の10日は私祭(おとさし)と呼ばれる行事で、六人衆が神社の祭礼を行っていた。
ノコギリや備中グワなど農具の七つ道具を作って山の神に参拝したそうだ。
そうした行事を経て12日となった女座の日。
座を広げる数時間前までは神社で神事が行われていた。
そのときに供えたのがオシゴクと呼ばれるメシ。
八合ぐらいと思われる枡にメシを詰める。
その枡の角に詰めるのだ。
メシの量は適当だが蓋で押してできたゴクは三角形だったそうだ。
座はお酒がすすんで会話が弾む。
1時間半も経過したころだろうか。
給仕は大釜で炊いたカシワゴハンを椀によそっていく。
「水をちょっと入れすぎたからべちゃべちゃになった」と給仕は話すがとんでもない。
具材は鶏肉とアゲ、ネギだけで炊いたカシワゴハンは味にコクがある。
ヒネの親鳥の鶏肉を使っているだけに出汁が濃いのだろう。
六升も炊いたから余計に美味くなったのであろう。
何杯もおかわりをしてしまうカシワゴハンは贅沢な味の料理であった。
温かいトーフ汁や手作りの香物の器にもお箸が伸びる。
(H23.11.12 EOS40D撮影)
高龗と書いて「たかおかみ」と呼ばれる氏神さんを祀る地域は萱森、和田、中谷、中白木、北白木などの旧上之郷村。
昭和31年の市制の際に編入された。
北白木の集落は16戸。
高龗神社の座の営みが行われている。
この夜は女座と呼ばれる行事がある。
女座と書いて「おなござ」と呼ぶ行事は12日に行われることから十二日座とも呼ばれている。
女座というだけに婦人の集まりでもあり、社務所に上がった人たちは座の人も加わって14人。
「こんな寂しい年はなかったのでは」と話す人たち。
「これほど少なかったら解散式でもせなあかんな」という。
この年は2軒の服忌が多くあった。
それであれば祭礼には出席できない。
戸数が少ないだけに維持するのも困難になったと話すが、たまたま重なったようだ。
座の中央、上座には太夫(たゆう)と呼ばれる長老が座る。
その人も服忌であっただけに年齢は若いが仮の太夫だと言って席に着いた。
周りを囲むのは婦人たちに座の六人衆の席。
「今夜は少ないからもっと寄ろうや」と席を詰めて座った。
それぞれの席にはパック詰め料理。
そこへ温められた甘酒を給仕当番の婦人たちが配る。
昨年に収穫したウルチ米を蒸して麹菌を入れた。
それを沸かして味噌を作るような感じで発酵器に入れる。
2日間そうしておくと柔らかくなっている。
それを炊いてできあがった甘酒はとても甘くて美味しい。
米の粒が残っていて口当たりもいい甘酒だ。
実は甘酒が神さんだという。
9日は宵宮で甘酒入れの行事があった。
六人衆とトーヤ受けに給仕が拝殿で登る。
そこで甘酒の上澄みを掬いとって女の神さん、男の神さんに遷します。
甘酒は足されて繰り返すこと3回。
それがトーヤ受けの儀式で神さんを受けるのだという。
カワラケに注がれた甘酒の汁を三三九度のように回し飲む。
それが受ける儀式なのであろう。
カワラケは蓋をして神さんと呼ばれる箱みたいなものに納めて家で祀るそうだ。
翌日の10日は私祭(おとさし)と呼ばれる行事で、六人衆が神社の祭礼を行っていた。
ノコギリや備中グワなど農具の七つ道具を作って山の神に参拝したそうだ。
そうした行事を経て12日となった女座の日。
座を広げる数時間前までは神社で神事が行われていた。
そのときに供えたのがオシゴクと呼ばれるメシ。
八合ぐらいと思われる枡にメシを詰める。
その枡の角に詰めるのだ。
メシの量は適当だが蓋で押してできたゴクは三角形だったそうだ。
座はお酒がすすんで会話が弾む。
1時間半も経過したころだろうか。
給仕は大釜で炊いたカシワゴハンを椀によそっていく。
「水をちょっと入れすぎたからべちゃべちゃになった」と給仕は話すがとんでもない。
具材は鶏肉とアゲ、ネギだけで炊いたカシワゴハンは味にコクがある。
ヒネの親鳥の鶏肉を使っているだけに出汁が濃いのだろう。
六升も炊いたから余計に美味くなったのであろう。
何杯もおかわりをしてしまうカシワゴハンは贅沢な味の料理であった。
温かいトーフ汁や手作りの香物の器にもお箸が伸びる。
(H23.11.12 EOS40D撮影)