マネジャーの休日余暇(ブログ版)

奈良の伝統行事や民俗、風習を採訪し紹介してます。
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額田部北方の如来さん回在

2011年12月17日 08時34分53秒 | 大和郡山市へ
南方の檀家すべてを回ったら北方の檀家役員にバトンタッチされる。

ここからは60軒。

長丁場のご回在だけに昼には融通寺で休憩をされそのあとは平端駅に向かった昭和地区へも行くという。

飛ばしてはならないと同じように気遣いしながら道案内する。

昨夜の雨はあがってこの日は天晴れ。

今年も晴れで如来さんの日はいつも晴れだと笑顔で案内する。

村中は旧村住居が多い。

以前はここに藁葺きの家があったと話す。

それは70年も前のことだという。

そのころの額田部は150軒ぐらいだった。

それが移り変わって新興住宅が増えて800軒にもなったと話す。



南方の檀家役員の話によれば額田部では一夜諷踊(イチヤフジ)と常諷踊(ジョウフジ)があるという。

一夜諷踊は如来さんが来る日だけに念仏する。

常諷踊は大阪平野の大念仏本山で何日間か念仏をしてくれているのだという。

諷踊(ふじゅ)とは位牌、塔婆など先祖さん、過去帳を詠みあげることだそうだ。



先祖回向、家内安全など祈願されたあとは如来さんを箱に戻して「オチョウダイ」と呼ばれる如来さんのご加護を授かる。

背中に如来さんをあてて「身体堅固 南無阿弥陀仏」が唱えられる。

如来さんの力で守って戴くという儀式だ。

この日に来られた目代の話によれば如来さんの夢を度々見るという。

鉦の音がカン、カン、カ、カ、カ、カーンと鳴る音が耳に焼きついていて、それが夢にでてくる。

追いまくられているようで目を覚ますらしい。

秋から冬にかけて村々を巡る如来さん。

鉦を叩いてご本尊を担いで駆け巡る。

風のように現れて風のように去っていくと、どの集落の人もそういう。

(H23.10.31 EOS40D撮影)