産経新聞で野鍛冶師のことを紹介してから1年後、再び訪れた染田の鍛冶屋さん。
フイゴの祭りを終えて、おやじさんの仕事話を聞く機会を得た。
日本には鍛冶屋が三つあるという。
刀(刃)を造る刀鍛冶、大八車の車輪を造る車鍛冶に農具を造る農鍛冶だという。
小学校の生徒に話す機会があってからある道具を作った。
それはペットボトルで6分割した筋を入れている。
下から幼、小、中、高、大、一般と書かれている。
それに水を入れていく。
その際にわざと水をこぼすように入れる。
「しっかりと聞いていないとこのようにこぼれる」のだと話す。
「先生の話を聞いていないとこぼしてしまうのだ」と優しく話す。
そうすると生徒はこっちを向いてくれるという。
大人になれば新しいことはこぼれて入らんと付け加える。
ごもっとも。
尤も小さいころの記憶はいつまでも残っている。
なるほどとうなずく。
「教えることは二度目の習い」。
そういう気持ちで話しているから歳がいっても勉強なのだという。
染田のおやじさんに教わること、訪れるたびに感心することが増えるが一向に実践できていない。
人生している限り勉強しなくちゃ、と思うのだけど・・・。
他にも「財、病、離、義、宮、劫、害、吉」の語呂。
人間は岩になり心は花になるということだそうだが、奥が深くて貧弱な私の頭では想像がつかない。
また、今の世の中は物で栄えて心は滅びるという話もあったがこれまた難しく・・・どうにもこうにも・・・・。
そうして話題はいつしか農具に移った。
商売の糧となる注文を受けた農具が並んでいる。
そこには昔から使われてきたクワが多い。
スキ(犂)もあるが鉄製の鍬だ。
光っているクワもあるがそれも鉄製。
ステンレスのように見えるがそれも鉄。
磁石がくっつく。
そのクワはDIYのホームセター園芸店で買われたモノであろう。
畑を耕す道具がそこにあるが造りが大きく異なる。
そのクワは一枚でできていて柄が取り付けられているヒラグワだ。
おやじさんが扱っているのはそういう一枚鉄ではない。
木製部分と鉄部分に分かれているのだ。
木製にあたる部分を単体で呼ぶ場合は「ヒラ」という。
樫(アラカシであろう)の木でできており甲の部分は高くなり周囲はほどよくひし形のようで丸くなっている。
これを「マルヒラ」と呼ぶ。
柄が挿しこまれる部分は四角い。
そこは適度な角度がありクサビで止める。
柄も含めた木製部分はカタギ(堅木)屋さんが作る。
鍛冶屋さんはそのマルヒラに合わせて耕す部分の鉄を作る。
それも単体で呼ぶ場合をヒラグワという。
木製部が鉄部に入る部位には溝が刻まれている。
溝を切るのはタガネを用いる。
こうして切っていくのだと実演してくれた。
いろいろな鍬があるがそれぞれに異なる柄の角度。
微妙に違っている。
話によれば畑を耕す場合と急斜面の地荒起こしする場合と違うという。
畑を耕すヒラグワを使えば角度が大きいから斜面で使う場合には不適である。
それよりももっと急な角度であるのだ。
そんな違いをこの歳になるまで知らなかった。
感動と驚きの教えであった。
(H23.11. 8 EOS40D撮影)
フイゴの祭りを終えて、おやじさんの仕事話を聞く機会を得た。
日本には鍛冶屋が三つあるという。
刀(刃)を造る刀鍛冶、大八車の車輪を造る車鍛冶に農具を造る農鍛冶だという。
小学校の生徒に話す機会があってからある道具を作った。
それはペットボトルで6分割した筋を入れている。
下から幼、小、中、高、大、一般と書かれている。
それに水を入れていく。
その際にわざと水をこぼすように入れる。
「しっかりと聞いていないとこのようにこぼれる」のだと話す。
「先生の話を聞いていないとこぼしてしまうのだ」と優しく話す。
そうすると生徒はこっちを向いてくれるという。
大人になれば新しいことはこぼれて入らんと付け加える。
ごもっとも。
尤も小さいころの記憶はいつまでも残っている。
なるほどとうなずく。
「教えることは二度目の習い」。
そういう気持ちで話しているから歳がいっても勉強なのだという。
染田のおやじさんに教わること、訪れるたびに感心することが増えるが一向に実践できていない。
人生している限り勉強しなくちゃ、と思うのだけど・・・。
他にも「財、病、離、義、宮、劫、害、吉」の語呂。
人間は岩になり心は花になるということだそうだが、奥が深くて貧弱な私の頭では想像がつかない。
また、今の世の中は物で栄えて心は滅びるという話もあったがこれまた難しく・・・どうにもこうにも・・・・。
そうして話題はいつしか農具に移った。
商売の糧となる注文を受けた農具が並んでいる。
そこには昔から使われてきたクワが多い。
スキ(犂)もあるが鉄製の鍬だ。
光っているクワもあるがそれも鉄製。
ステンレスのように見えるがそれも鉄。
磁石がくっつく。
そのクワはDIYのホームセター園芸店で買われたモノであろう。
畑を耕す道具がそこにあるが造りが大きく異なる。
そのクワは一枚でできていて柄が取り付けられているヒラグワだ。
おやじさんが扱っているのはそういう一枚鉄ではない。
木製部分と鉄部分に分かれているのだ。
木製にあたる部分を単体で呼ぶ場合は「ヒラ」という。
樫(アラカシであろう)の木でできており甲の部分は高くなり周囲はほどよくひし形のようで丸くなっている。
これを「マルヒラ」と呼ぶ。
柄が挿しこまれる部分は四角い。
そこは適度な角度がありクサビで止める。
柄も含めた木製部分はカタギ(堅木)屋さんが作る。
鍛冶屋さんはそのマルヒラに合わせて耕す部分の鉄を作る。
それも単体で呼ぶ場合をヒラグワという。
木製部が鉄部に入る部位には溝が刻まれている。
溝を切るのはタガネを用いる。
こうして切っていくのだと実演してくれた。
いろいろな鍬があるがそれぞれに異なる柄の角度。
微妙に違っている。
話によれば畑を耕す場合と急斜面の地荒起こしする場合と違うという。
畑を耕すヒラグワを使えば角度が大きいから斜面で使う場合には不適である。
それよりももっと急な角度であるのだ。
そんな違いをこの歳になるまで知らなかった。
感動と驚きの教えであった。
(H23.11. 8 EOS40D撮影)