マネジャーの休日余暇(ブログ版)

奈良の伝統行事や民俗、風習を採訪し紹介してます。
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吉隠および白河の行事調査

2014年07月30日 07時17分48秒 | 楽しみにしておこうっと
この日も『桜井市文化叢書(民俗編)』に書かれていた行事の調査。

昭和36に発刊された史料である。

そこに書かれてあった吉隠(よなばり)の旧暦正月七日の行事。

「宮座の結鎮祭」である。

「結鎮」はおそらくケイチンであろう。

そうであれば鬼打ちと思えるのだが・・・。

大字吉隠には春日神社の他、天満神社、狭井神社の行事日もあった。

お寺は薬師如来を安置する極楽寺もある。

始めに訪れたのは吉隠東之堂極楽寺である。

急こう配の坂を下りて、それからぐるりと回って登る。

近道もあったがそうした。



村内に人かげが見られないが、青面金剛石仏を安置する庚申堂の前に立ててあった二本の竹。

右側には竹で編んだものがある。



紛れもない旧暦閏年に行われている行事の痕跡。

形式で判断するに隣村の角柄と同じようなゴクダイであろう。

されるとすれば今年。

3月終わりころに再訪して尋ねてみたい。

お寺近くに天満神社があるらしいが判り難い。

一旦、車を走らせて谷道から登った。



そこにあった天満神社。

痕跡は見られないが、半紙に包んだモチが数個あった。



何を意味するのか判らないがお供えであることは間違いない。

狭井神社の場所もある程度は判ったが、春日神社が見つからない。

春になれば耕作する村人が居るであろう。

その頃にもう一度立ち寄りたい。

この日の調査はもう一カ所の大字白河(しらが)。

探す神社は秉田(ひきた)神社。

旧暦正月十一日に行われていると思われる「鬼鎮」であるが、神社はさてどこにある。

集落はある程度離れている。

ぐるりと旋回するように集落を通り抜ける道がある。

ところが一部が工事中で通行止め。

おそらくその先が秉田神社と思われるが行くこともできない工事中。

諦めて下った田畑で作業をされている婦人がおられた。

もしやと思って尋ねた結果は2月11日。

村の戸数は35戸の集落であるが、「ケイチン」と呼ぶ行事は村行事でなく、特定家の6軒の営み。

我が家も該当すると云う。

宮さんで行われる「ケイチン」は弓で鬼の的を射る行事。

村に疫病が入り込まないように祈願する正月行事である。

史料に書いてあった「鬼鎮」は「ケイチン」と呼ぶのである。

弓・矢は梅の木で作る。

梅は厄払いの木。

「ケイチン」行事に相応しい道具である。

2軒の当番の人が作っておくそうだ。

日程は判ったが、始める時間は当番の人が決める。

早いうちに訪れたいとお願いしたのは云うまでもない。

(H26. 2. 7 SB932SH撮影)