マネジャーの休日余暇(ブログ版)

奈良の伝統行事や民俗、風習を採訪し紹介してます。
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葛城地域の民俗学in葛城市歴史博物館

2014年09月11日 09時00分34秒 | 民俗を聴く
3月16日まで展示されている葛城市歴史博物館の冬季企画展は「農家の四季―祭礼と耕作図―」である。

祭礼は當麻山口神社のオンダ祭事例しかなかったが、大きな絵馬と屏風に目がいく。

明治時代に描かれたという耕作図絵馬は磐城小学校蔵。

耕作図の企画展は平成20年にも展示されたが、私は拝見していない。

たぶん違うモノだと思うのだが・・・。

耕作図絵馬で興味をもったのは、牛耕だけでなく馬耕の姿もあったことだ。

奈良県内事例ではまったくといっていいほど登場しない馬耕。

耕す農具はマンガ或いはマンガン(馬鍬)である。

牛が曳いていたのはカラスキ(犂)だ。

もうひとつの耕作図は屏風。

心ある家が寄託された館の所蔵品。

暮らしぶりも含めて稲作の四季が判る。

じっくり拝見している時間はない。

講演会場に急ぐことにする。

話者はこの年の3月末まで奈良県民俗博物館に勤めておられた鹿谷勲氏。

忙しい人であるから一年前から講話を頼んでいたと話す館長。

県職時代は教育委員会で文化財保護に携わっていた。

その頃は同室だったと話す。

県内各地を歩いて民俗文化を探訪してきた鹿谷勲氏が話す葛城地域の民俗を聞きたくてやってきた。

年に数回、葛城市歴史博物館から届くハガキを見てときおり訪れる。

座学は教養知識を埋めてくれる。

そうおもって選ぶテーマ・話者。

葛城地域の民俗にはどういうものがあるのか知りたかった。

「追想・回想は大事なこと。脳を活性化する。身体で覚えている民具で昔の暮らしを思い起こす。集落の記憶は住んでいた土地の記憶でもある。昭和50年に民俗文化財が法令化された。過去の記憶体験が将来に役立つチカラとなる。奈良新聞で毎月掲載されている「民俗通信」が始まったのは平成2年。今月で227回目になった。民俗はどのように調べてきたか。歩く・観る・聞くである。さまざまな土地を訪れて住民の記憶を採取してきた。それを文字化する。集めて比較して思考すれば見えないものも判ってくる。民俗文化の研究は本質と変化する部分を知ることにある。そうしてこれからの暮らしに活かす。生駒高山には茶ガユがあるが、大阪はシラカユ(白粥)である。ちゃんぶくろ(茶袋)を知るようになった。それから茶ガユに関する民俗を調べた」から始まった講話はスライドショーで紹介される。

そこでボールペンのインクが無くなった。

隣の席についた男性は顔見知り。

偶然の遭遇である。

男性は度々お世話になっている御所市西佐味の住民。

これまで山の神や弁天さんにとんど行事まで取材させていただいた。

ありがたい出合いである。

スライドショーに映し出されたコイノボリ。

どこかで見たような映像である。

映像はコンパクトだったので判り難かった。

眼をこすって拝見すれば、御所市多田(おいだ)で取材した杉の葉付きのコイノボリだ。

これを撮ったのは私だと紹介してくださった。

次に映し出した映像は武者絵大幟

これは當麻の映像である。

まさか、この日の講演に映し出すとは思わなんだ。

事前に云ってくれれば、元画像をお渡ししたのに・・・。

(H26. 3. 8 記)