マネジャーの休日余暇(ブログ版)

奈良の伝統行事や民俗、風習を採訪し紹介してます。
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小夫の虫祈祷

2015年02月10日 09時27分58秒 | 桜井市へ
小夫の神事が始まるまでの僅かな時間を散策した。

神社を下った参道脇の田畑に咲いていた黄色い花。

小型のヒマワリだと思われるが、確信はもてない。

しばらくの時間を過ごして戻った天神社。

社務所前にある手水鉢に年号が刻まれてあったとこに気がつく。

「天明七年(1787)九月吉日 施主 六右衛門」だった。

「紙魚(しみぶるい」の日の午後4時に天神社祭祀の厄蝗祭(じょこうさい)が行われる。

昭和36に発刊された『桜井市文化叢書 民俗編』によれば、「土用の夏に発生する蝗(いなご)駆除祈祷。稲を食い荒らす蝗の害から逃れるために氏子が戸数ごとに長い葉の付いた竹の先に五色の紙を結び付けて社殿に持ち寄り五穀成就を願った」と書いてあった。

お札には「奉 祈念扼命風天子稲速病速除五穀就修」とあったそうで、俗に云う一万度と云う行事である。

お札はもう一枚あって「奉 御祈祷五穀成就災除家内安全幸福延命祈攸」。

参ったあとは家の戸口に貼り付けていたとあったが、今では宮総代や区長、氏子が参拝する祭典になっていた。

祓え、献饌、厄蝗祭祝詞、斎王神社の祝詞。

続けて高龗(たかおかみ)神社の祝詞、素盞雄神社の祝詞を奏上される。



総代・氏子とも扇を手にして玉串奉奠。

拝礼されて撤饌される厄蝗祭は秋の実りを願う豊作祈願の神事である。

祭典を終えて聞いた小夫の虫の祈祷は6月20日だった。

東、馬場、上、桑などそれぞれの垣内ごとにある寺とも呼ぶ会所に集まって鉦や太鼓を打つ。

田んぼも巡って太鼓打ち。

それを終えて数珠繰りが始まる。

繰る回数は49回になると話していた。

神事は厄蝗祭であるが、垣内行事に虫の祈祷が行われているようだ。

(H26. 7.22 EOS40D撮影)