マネジャーの休日余暇(ブログ版)

奈良の伝統行事や民俗、風習を採訪し紹介してます。
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瀧倉のツイタチゴハン

2015年02月23日 07時19分40秒 | 桜井市へ
8月1日から7日までの毎日は、瀧ノ蔵神社に参って太鼓打ち・般若心経を唱えていると二老さんが話していた。

どのような形でされているのか様相を拝見したく訪問した。

集落に入ったところの作業場にいた四老さん。

畑で栽培したキュウリを箱に詰めていた。

二老から聞いていた話しを伝えたら、「今日は初日で一老さんが行っているはずや」と云う。

「うちの奥さんはアカゴハンを持っていってツイタチゴハン(朔日ご飯)をしている」と云うので先を急いだ。

神社拝殿に一老さんと四老さんの奥さんがおられた。

アカゴハンを供えて参るのは決まった順で廻っている当番家。

この日は四老家であったのだ。

毎月1日はツイタチゴハン。

11時にアカゴハンを供えて、「一老さんに般若心経を唱えてもらっていた」と云う。

一升枡いっぱいに盛ったアカゴハンはセキハンとも呼んでいるようだ。

桜井市瀧倉はムラで生まれた長男の家が宮座を営んでいた。

宮座は諸役とも呼ばれる十二人衆が勤めていた。

年長順に一老から六老までは上六人衆、以下を下六人衆と呼ぶ。

さらに下六人衆を寺僧(じそう)とも云うようだ。

また、寺僧のなかから宮さんの使い役として就く行司(ぎょうじ)もいた。

かつてはトーヤ(頭屋)受けをしたジソウ(寺僧)とも呼ばれるトーニン(頭人)が一杯のアカゴハンを供えていたと話す。

また、もう一人のトーニン(頭人)はお神酒を供えていた。

それぞれをゴハントーニン、オミキトーニンと呼んでいた。

その場にはギョウジと呼ばれる六人衆の小遣い役が就いていたと話す一老さん。

お神酒を供えていたトーニンやギョウジ制度を止めてゴハン当番だけになったと云うのだ。

ゴハン当番のトーニンはジソウとも云うから、前述した「寺僧」の呼称もある下六人衆だ。



先に帰ると云われて風呂敷に包んで持ち帰る一升枡盛りのアカゴハン。

一升枡は忘れないように次の当番家に引き継いでおく。

引き継ぎを失念していた家があったこともあった。

そのときは大慌てで洗い米とアズキを盛って供えたと話す。

(H26. 8. 1 EOS40D撮影)