マネジャーの休日余暇(ブログ版)

奈良の伝統行事や民俗、風習を採訪し紹介してます。
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小夫の紙魚ぶるい

2015年02月09日 07時17分22秒 | 民俗あれこれ(干す編)
境内前庭にブルーシートを広げている桜井市小夫の天神社。

この日は朝から神社の持ちものを天日干し。

今では22日に固定されているようだが、かつては23日、或いは土用三郎の日であったようだ。



狩衣、白衣、素襖、法被、鉢巻、御旗、幟に座布団、布団、マットレス、毛布にスリッパまでも干している「紙魚(しみぶるい」。

8年前に訪れたときはゴザを敷いて座布団だけを干していた。

その後に変わったのか、既に終えていたのか覚えていない。



「紙魚(しみぶるい」は古文書などに住みつく虫を殺す天日干しのことである。

正倉院や古寺では今でもそうしているらしく、古文書や経文などに住みつく虫を天日干しで殺す。

小夫には古くから伝わる大般若経があると云う。

天神社の蔵で保管しているが、ボロボロに朽ちていることからナフタリンの入れ替えに留めていると話す。

防虫剤などなかった昔は、「紙魚」と呼ぶ虫をふるい落とすことからそういう呼び名があるようだ。

そういえば、天理市苣原の大念寺では毎年の7月23日に600巻の大般若経典をひとつずつ取り出してナフタリンを入れ替えする大般若と呼ぶ行事がある。

大般若といえば六百巻の大般若経の転読法要であるが、苣原ではただたんに虫干しする作業だ。

それはともかく、小夫に大般若経典が残っているということは、かつて神宮寺があった証拠であろう。

もしかとすれば、そこで転読をされていたのではと思って尋ねた答えは・・・「判らん」である。

(H26. 7.22 EOS40D撮影)