マネジャーの休日余暇(ブログ版)

奈良の伝統行事や民俗、風習を採訪し紹介してます。
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榛原萩原小鹿野オコナイのごーさん札

2016年02月05日 09時09分37秒 | 宇陀市(旧榛原町)へ
大字平尾のナワシロジマイで拝見した藁束のマクラを思いだした同行人。

帰路に寄り道をしたいと申し出た。

30数年前の記憶を辿る榛原の西峠。

どこで見たのか覚えてないが、お寺の近くに大字平尾で拝見したマクラと同じようなものがあったという。

カーナビゲーションを頼りにうろうろする。

地域は新興住宅地。

苗代田の存在はまったくない。

諦めて県道を越えて山間に向かう。

そこは山間の農村地。

畦作りをしている。

さらに登っていけば幌を被せた苗代田があった。

目立つ赤色チューリップに黄花水仙、スノードロップのイロバナがあることから想定したごーさん札。



もしやと思って近づけば、竹の棒で挟んだお札を立てていた。

「牛」、「地蔵」、「宝」を書いた墨書文字があることからごーさん札に違いない。

それを見つけたすぐ近く。

石垣を跨いで建てた特徴ある様式である。

奥さんの話しによれば元大工の旦那さんが建てた納屋であるという。

上部は大工道具入れで、下は牛の堆肥置き場にしていたが、現在は車の駐車場にしているという。

他にもあるかもしれないと思って数百メートルを歩く。

勾配を感じる里山を歩いて登った。



そこにあった白い幌傍に先ほどと同じように苗代田があった。



その場にもあったイロバナとごーさん札横に大字平尾で拝見したような感じの藁束に挿しているのだ。

同行人がまさしくこれだと云った。

お札を広げさせてもらって文字を判読する。



「地蔵」の文字もあれば「不動」もある。

お札や藁束を拝見して里山を下る。

道中にあった民家の蔵。

格子状の柄がある蔵に感動して思わずシャッターを切った。

戻って一足早く咲いていたシャクナゲが咲いていたお家の方の声をかける。

ここはどこだか判らない。

教えてもらったこの地は榛原萩原の小鹿野(おがの)。

婦人が云うには「地蔵」の文字があったお札を挿したのは当家だという。

4、5日前に藁を一束。

曲げて二つ折りにして置いた。

その横に竹に挟んだごーさん札にイロバナを立てというが、横に寝かせた藁束の名前は存じていなかった。

正月明けの休日に初集会を兼ねた「オコナイ」行事をしていた小鹿野。

行事を終えて、たばったお札は水口辺りに立てたという話しから、会所(元地蔵院若しくは地蔵寺)で行われている村行事であろう。

なお、山の上のほうに水の神さんと呼んでいる不動明王がおられる。

水の神さんは農の水を豊かにしてくれるという。

(H27. 4.18 EOS40D撮影)