マネジャーの休日余暇(ブログ版)

奈良の伝統行事や民俗、風習を採訪し紹介してます。
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西河内町の祝いコイノボリ

2016年02月17日 08時39分27秒 | 五條市へ
和歌山市民会館で開催された写真展の帰り道。

紀北東道路-橋本道路-五條道路を快適に走っていた。

行き帰りの走行中に目につくコイノボリは少ない。

北は山間部で南は紀ノ川沿いの新町住宅。

コイノボリはあっても支柱は金属ポールばかりだった。

五條市居傳町手前だった。

山麓側に家紋入りのコイノボリの先端が目に入った。

橋脚道路からだったので見間違い?と思ったが、念のためと思って降りてから地道をUターンする。

場所はだいたいであるがなんとなくここら辺と思った民家。

そこに立ててあったコイノボリの支柱は木材だった。



奥で畑作業をしていた老婦人に話を聞く。

「ここはどこですか」と尋ねれば御所市市の西河内町。

NPO法人「うちのの館」が管理する登録有形文化財の藤岡家住居から数百メートルの近さになる。

婦人の話しによれば横浜に住んでいる長男家の初孫男児が生まれたときに立てたという。

その年は杉葉飾りを付けた支柱だった。

2年目からは葉を伐りとって矢車に替える。



孫は6歳になったが今でもこうして立てているという。

気になったのは丸桔梗紋入りの吹き流しだ。

家紋は型をとって京都の染物屋で吹き流しを作ってもらった。

コイノボリもそうだが、奈良の風習どおりに長男のお嫁さんの実家が贈ってくれた。

お嫁さんの出里は栃木県。

そういう風習はないという。

風習がないのになぜに贈られたのか・・。

その後に畑から戻ってきた息子さんに聞けば「私がその話しをしたらお嫁さんの実家がそうしてくれた」という。

家紋入りの吹き流しの絵柄は龍が舞う唐草模様。

じっくり見たことがなかった老夫人の息子さんは「そうやったんや」という。

長男の仕事柄、横浜から里へ帰るのは正月とお盆ぐらい。

製材所に頼んでレッカーで持ち上げ立てたコイノボリの支柱。

青空に泳ぐコイノボリの姿はタブレット端末で撮って孫に送っているという。



同家のコイノボリは雛飾りを仕舞った翌日に立てる。

晴れの日に揚げるが、風の強い日は揚げない。

雨天の日ももちろん揚げないしカミナリが鳴る日も、だ。

同家がコイノボリを仕舞うのは6月5日の節句まで・・と話していた。

(H27. 4.23 EOS40D撮影)