マネジャーの休日余暇(ブログ版)

奈良の伝統行事や民俗、風習を採訪し紹介してます。
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小林町尼講のお大師さん

2016年02月13日 09時37分08秒 | 大和郡山市へ
この日はお大師さん行事の巡拝。

締めくくりに選んだ地は大和郡山市小林町。

番条町に新福寺住職が来訪されていたので帰路の繋ぎに思い出した行事である。

公民館としても利用している土地改良区事務所の2階でお大師さんの営みをしているのは尼講の人たちだ。

昔はおばあさん講とも呼ばれていた尼講は若い人でも70歳半ば。

年長は80歳半ば。

県内各地と同じような年齢構造である。

2月は大きな涅槃図を掲げてネハンサン。



今月は弘法大師の掛図を掲げてお大師さん。

いずれも始めに導師が数珠を手にした尼講の中央に座って一巻の般若心経を唱える。

続けて「なむあいだー なんあみだー」を唱えながら数珠を繰る。

房珠がくれば頭を下げる。

そのとき、くるりと房を一回転する婦人もいる。



数珠を繰る際、チャカチャカと音がする。

数珠繰りは百万遍ではなく百遍。

およそ25分間のぶっ通しのお念仏である。

終わって話すかつてあった杵築神社の行事。

「テンゴクやというて」2月頃の藪入りにモチを1個ずつ貰いに行った。

暗いうちだったという時間帯。

夜明けはまだまだだった。

「テンゴクだっせー」の呼び出しがあったのは70年前のこと。

「テンゴク」を漢字で現せば「天御供」。

オテントサンが出るまでの時間帯(日の出前)に御供を貰うことからその名が付いた「テンゴク」。

隣村の今国府(いまご)にはそれがなかったという。

3月21日は法隆寺会式だ。

小林町から西へ一直線。

片道3kmの距離にある法隆寺だ。

この日はバラ寿司、巻き寿司、ヨモギダンゴ、自家製味噌仕立てのワケギの酢和えなどを作って親戚中に配っていた。

巻き寿司は巻いている途中とか、皿に盛る前に家人が食べていたと話す。

我が家も同じように巻き寿司を食べていた子供の頃を思いだした。

61歳の祝いに鏡餅を搗いた。

二段重ねの鏡餅は各戸に配ったというから還暦の祝いであろう。

長男の喰い初めのとき。

口紅で大の文字を書いた。

女の子は小の文字だった。

その文字は鏡餅に書いた。

還暦の祝いと同じように各戸に配った。

お喰い初めの儀式も村全戸で祝う仕組みであったろう。

(H27. 4.21 EOS40D撮影)