マネジャーの休日余暇(ブログ版)

奈良の伝統行事や民俗、風習を採訪し紹介してます。
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萱森のハザカケ

2016年07月03日 07時07分58秒 | 民俗あれこれ(干す編)
桜井市の山間に出かける。

もしかとすればこの日かも、そう思って出かけた大字白木の中白木。

頭屋家婦人に尋ねた結果は明日だった。

ほっとしたのは言うまでもない。

そこからすぐ近く。

大字中谷に鎮座する高龗神社前の林道を通り抜けた。

杉林の向こう側に棚田がある。

10日ほど前にも訪れた萱森の頭屋家。

先だっては頭屋家の民俗なども撮らせてもらった。



この日は棚田いっぱいに広げたハザカケ場で作業をしていた。

勝手知ったる頭屋家の棚田に下る。

察知した夫妻が見上げて私を確認した。

10日のときよりもハザカケが増えていた。

もうすぐ刈り取るであろうと思われたヒトメボレが稔って黄金色に染まっていた。

話しによれば翌日に刈り取って干したそうだ。



頭屋家は宮さんの祭祀を務める最長老の一老でもある。

一老は太夫とも呼ばれている。

今年のマツリに勤める頭屋でもあり、太夫でもある。

頭屋祭には大きく太い大注連縄を鳥居に架ける。

縄結い作業は前日の宵宮だ。

頭屋家は注連縄の材料になる稲藁を準備しなくてはならない。

マツリが近づいたこの日の作業。

天日干ししておいた稲の藁をしごいてシビをとる。

大注連縄作りの際にはシビを取った藁束をヨコヅチ(横槌)で叩いて柔らかくする藁打ちをする。

コジメ(小注連縄)に使う稲藁はハザカケ傍で結っていた。

シビも取るし、縄結いもする頭屋家。



マツリの前から忙しい日々が続く。

なお、鳥居に懸ける大注連縄は四人がかり。

結うのは3人。

継ぎ足しの藁束を渡す人がいてこそ太い注連縄ができる。

(H27.10.16 EOS40D撮影)