一年ぶりに訪れた桜井市の竜谷(りゅうたに)。
この日は龍谷三輪神社の秋祭りだ。
朝は集落付近で伐ってきたススンボ竹で御幣を作る。
鶴紋の日の丸扇を三枚合わせて恰好をつけたら御幣になる。
県内事例に多く見られる日の丸御幣である。
午後ともなればハコヤの木で作った千本杵で三臼の餅を搗く。
一臼目はハンモチ。
醤油に生姜を混ぜて焼いた餅につける。
頭家がもてなす手祝い餅をいただく。
そして△型に象る三合米のオニギリを三つ調製する。
こうした祭り用具が調えば、夕刻まで料理をよばれる社務所で過ごす。
かつて竜谷のマツリは10月27日が宵宮で、28日がマツリだった。
いつしか10月10日の体育の日の祝日に移った。
その後において施行されたハッピーマンデー化によってマツリ日を固定した。
祝日の11月3日であれば判りやすいということでそうなった。
かつては30戸もあった竜谷の集落。
村を離れる家が多くなり20戸。
その後も減り続けた現在の竜谷の戸数は10戸になった。
宵宮はマツリと統合されて一本化することになった。
10年ほど前までは社務所でなく、頭家の家がもてなす接待のヨバレがあった。
ヨバレの場を社務所へ移すとともに、かつての頭屋家を示す「頭屋座中」の提灯吊るしも同じように場を移した。
三輪神社から出仕された二人の神職は竜谷の頭家祭神事を行う。
支度を調えた一行は龍谷三輪神社へ向かってお渡りをする。
街灯もない真っ暗な道中に「オォォォーイ・・ オォォォーイ ・・」の詞を発しながらお渡りをする。
ピント合せがまったくできない闇夜の道中は今年もまた外した。
低く唸るような声で神官が「オォォォーイ・・ オォォォーイ ・・」。
すると、後方についた頭家・氏子らは「オォォォーイ・・ オォォォーイ ・・」と唱和する。
警蹕のように感じる暗闇道中の唱和に身震いする。
龍谷三輪神社に到着した一行は直ちに幣や神饌を供える。
本殿は見られない龍谷三輪神社。
ご神体は背後の神体山である。
神事が始まるころには村の人たちが神社に集まってきた。
かつてはローソクを灯した提灯の明かりだけだったマツリの夜。
ここでは最近流行りのLEDを使用することもない。
階段を踏み外さないように、足元を照らす白熱灯の投光照明によって村人の安全を配慮したが、神事中にショートして投光が消えた。
拝殿に登るのは頭屋や氏子男性だけだ。
婦人たちは上がることもできずに外で見守る。
祝詞奏上、玉串奉奠の次に行われたのは「フリアゲ」神事だ。
これまでトーヤ(頭屋)を勤めたことがない人の名を書いたクジを丸めて三方に載せる。
神官は幣を付けた真榊を静かに下ろす。
麻苧の先に引っかかったアタリクジを引き上げる。
クジを広げて記入された名前を現認する。
大幣のフリアゲ神事は「トーヤ決め」の儀式である。
これを竜谷では、神占の正式名称として「頭人定め」の名がある。
少子化の波をもろに被った竜谷では子供の姿が見えない。
ところが、マツリのときには大勢の外孫たちがやってきて賑やかになる。
「フリアゲ」神事を終えた竜谷のマツリは子供の相撲で締められる。
対象者は幼児から中学生までだ。
かつては村氏子の男の子だけだった。
少子化によって男の子は少なくなった。
相撲ができなくなった時代に女の子も加えるようにした。
それも少なくなったから外氏子(外孫)も入れて存続している。
神前相撲を終えたら拝殿の直会に移る。
酒杯をいただく氏子はカワラケを手にする。
神さんとされる酒桶から酒を注いだカワラケ。
酒を一献する際には、スライス切りの生ダイコンと生ショウガに田楽味噌をつけて口にする。
ミリンに酒、砂糖を加えて作った田楽味噌は自家製。
乙な味わいにお酒が欲しくなる。
(H27.11. 3 EOS40D撮影)
この日は龍谷三輪神社の秋祭りだ。
朝は集落付近で伐ってきたススンボ竹で御幣を作る。
鶴紋の日の丸扇を三枚合わせて恰好をつけたら御幣になる。
県内事例に多く見られる日の丸御幣である。
午後ともなればハコヤの木で作った千本杵で三臼の餅を搗く。
一臼目はハンモチ。
醤油に生姜を混ぜて焼いた餅につける。
頭家がもてなす手祝い餅をいただく。
そして△型に象る三合米のオニギリを三つ調製する。
こうした祭り用具が調えば、夕刻まで料理をよばれる社務所で過ごす。
かつて竜谷のマツリは10月27日が宵宮で、28日がマツリだった。
いつしか10月10日の体育の日の祝日に移った。
その後において施行されたハッピーマンデー化によってマツリ日を固定した。
祝日の11月3日であれば判りやすいということでそうなった。
かつては30戸もあった竜谷の集落。
村を離れる家が多くなり20戸。
その後も減り続けた現在の竜谷の戸数は10戸になった。
宵宮はマツリと統合されて一本化することになった。
10年ほど前までは社務所でなく、頭家の家がもてなす接待のヨバレがあった。
ヨバレの場を社務所へ移すとともに、かつての頭屋家を示す「頭屋座中」の提灯吊るしも同じように場を移した。
三輪神社から出仕された二人の神職は竜谷の頭家祭神事を行う。
支度を調えた一行は龍谷三輪神社へ向かってお渡りをする。
街灯もない真っ暗な道中に「オォォォーイ・・ オォォォーイ ・・」の詞を発しながらお渡りをする。
ピント合せがまったくできない闇夜の道中は今年もまた外した。
低く唸るような声で神官が「オォォォーイ・・ オォォォーイ ・・」。
すると、後方についた頭家・氏子らは「オォォォーイ・・ オォォォーイ ・・」と唱和する。
警蹕のように感じる暗闇道中の唱和に身震いする。
龍谷三輪神社に到着した一行は直ちに幣や神饌を供える。
本殿は見られない龍谷三輪神社。
ご神体は背後の神体山である。
神事が始まるころには村の人たちが神社に集まってきた。
かつてはローソクを灯した提灯の明かりだけだったマツリの夜。
ここでは最近流行りのLEDを使用することもない。
階段を踏み外さないように、足元を照らす白熱灯の投光照明によって村人の安全を配慮したが、神事中にショートして投光が消えた。
拝殿に登るのは頭屋や氏子男性だけだ。
婦人たちは上がることもできずに外で見守る。
祝詞奏上、玉串奉奠の次に行われたのは「フリアゲ」神事だ。
これまでトーヤ(頭屋)を勤めたことがない人の名を書いたクジを丸めて三方に載せる。
神官は幣を付けた真榊を静かに下ろす。
麻苧の先に引っかかったアタリクジを引き上げる。
クジを広げて記入された名前を現認する。
大幣のフリアゲ神事は「トーヤ決め」の儀式である。
これを竜谷では、神占の正式名称として「頭人定め」の名がある。
少子化の波をもろに被った竜谷では子供の姿が見えない。
ところが、マツリのときには大勢の外孫たちがやってきて賑やかになる。
「フリアゲ」神事を終えた竜谷のマツリは子供の相撲で締められる。
対象者は幼児から中学生までだ。
かつては村氏子の男の子だけだった。
少子化によって男の子は少なくなった。
相撲ができなくなった時代に女の子も加えるようにした。
それも少なくなったから外氏子(外孫)も入れて存続している。
神前相撲を終えたら拝殿の直会に移る。
酒杯をいただく氏子はカワラケを手にする。
神さんとされる酒桶から酒を注いだカワラケ。
酒を一献する際には、スライス切りの生ダイコンと生ショウガに田楽味噌をつけて口にする。
ミリンに酒、砂糖を加えて作った田楽味噌は自家製。
乙な味わいにお酒が欲しくなる。
(H27.11. 3 EOS40D撮影)