旅客機が墜落する。乗客乗員109人のうち、助かったのは数人。この助かった人の精神的セラピーを担当するクレア(アン・ハサウェイ)は奇妙な男と事件に遭遇する。この映画の詳しいことは言えない。これから観る人の興味をそぎたくないからだ。評判は悪くない。 ただ、私には何を言いたいのかよく分からない。謎めいた雰囲気で最後まで引っ張っていかれる。それが徹底していない気がする。この助かった数人の中にエリック(パトリック・ウィルソン)という若い男と愛し合うようになるクレア。
愛を交わすきっかけに、やや不自然さを感じる。不可解な言動の多いエリックがボートから冬の海に飛び込む。なかなか浮いてこないので、心配したクレアも飛び込む。そして抱擁とくるが、まだ機が熟してしない気がする。キスをさせる場面なんて、そんな不自然なことをしなくてもどこにでもある。不可解な男のエリックだから、冬の海に飛び込ませるのはいいが、クレアまで海に放り込むこともないだろうに。
ノーベル賞作家のガルシア・マルケスを父に持つ監督故に発想が違うのかもしれない。アン・ハサウェイもパトリック・ウィルソンも印象の薄い映画だった。
監督ロドリゴ・ガルシア1959年コロンビア、ポゴタ生まれ。‘05「美しい人」で、インデペンデント・スピリット賞の監督・脚本賞にノミネートされた。
アン・ハサウェイ1982年ニューヨーク、ブルックリン生まれ。
パトリック・ウィルソン1973年ヴァージニア州ノーフォーク生まれ。