ニューヨークの地下鉄、ペラム駅午後1時23分発の列車が乗っ取られる。ライダー(ジョン・トラヴォルタ)を首班とする男たち。その列車は、一両を残して切り離される。
犯人の要求は、100ドル紙幣で1000万ドルを1時間以内に届けること。時限に遅れた場合は、1分毎に人質を殺すという脅迫だった。
通信司令室のガーバー(デンゼル・ワシントン)がその応対に当たる。警察や市長もやってきて、1000万ドルを引き渡す決定が行われた。
この手の映画では、結末はおおよそ見当がつくもので、案の定ライダーはガーバーによって射殺される。特に目新しさはなく物語の展開に苦心しているように思えてならない。
現金輸送のパトカーが、タクシーに激突したり、そのパトカーが大破して、伴走していた白バイが手分けしてバッグを運ぶ。猛スピードで走るパトカーや白バイ。ただそれだけで緊迫感に欠ける。
犯罪映画には、ある種の挽歌が漂うが、それがなかった。ライダーとガーバーとのやり取りに、人間的な側面を描けばまた違ったものになったかもしれない。
監督
トニー・スコット1944年6月イギリス、ストックトン生まれ。’86「トップガン」がヒット。
キャスト
デンゼル・ワシントン1954年12月ニューヨーク州マウント・バーノン生まれ。’01「トレーニングデイ」でアカデミー主演男優賞受賞。黒人俳優としてシドニー・ボワチエ以来の二人目。ジョン・トラヴォルタ1954年2月ニュージャージー州イングルウッド生まれ。