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大金持ちのフィリップ(フランソワ・グリュゼ)は、パラグライダー事故で首から上だけが動き、体のほとんどは麻痺している重度の身体障害者だ。
フィリップは新しい看護人を募集していた。面接に来た男は型破りだった。ドリス(オマール・シー)といって身長2メートル近くで手足の長い黒人だった。しかも、本人は言わないが宝石強盗で半年服役の前科モノだった。
面接は失業手当を貰うために来ただけ。秘書が「推薦は?」と聞くと「あるよ」
「言ってみて」
「クール&ザ・ギャングとか。お薦めだ」採用を期待していないから言いたい放題。
「書類にサインしておくから、明日9時に来い」と言われてその時間行って見ると「1ヶ月の試用期間だけ働くか?」家を追い出されたドリスはこれを受けるしかない。
生まれも生い立ちも人生経験も全く違う人間、しかもリッチとプアの極端な二人。お互い嫌悪するか、意気投合するかのどちらかだろう。一般的には、嫌悪するほうが多い。
しかし、生身の人間は分からない。この二人はお互いに補完する関係にあったのが心を許し合える仲になった。エスプリが効いていて洒落た作品になっている。
フィリップの誕生会は、ドリスがアース・ウィンド&ファイヤーの「Boogie Wonderland」の曲をプレイヤーに放り込み、黒いスーツと手足の長いドリスのダンスで、今まで静かなしかも面白味のない空気は一変した。。なかなかドリスは格好良かった。
この映画のラストがまた余情に包まれてよかった。フィリップはある女性と文通していた。ドリスが知るところとなって、女性からの手紙に電話番号があるのを見つけて「電話番号が書いてあるのは、もっと親しくなりたいと言う気持ちの表れだ」と携帯電話をフィリップの耳に押し付ける。
デートの約束をして、そのレストランへ出向くが一足違いですれ違いの結果に終わる。ドリスは今一度デートのプランを実行に移す。海浜のガラス張りのレストラン。外のテラスからニヤニヤするドリス。女性がやってきてフィリップの顔が笑みで満たされる。ちょっとジーンとくる場面だった。
この映画はお薦めで、嬉しい気分になれるよ。
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アース・ウィンド&ファイヤーで「Boogie Wonderland」をそうぞ!
監督
エリック・トレダノ1971年7月パリ生まれ。オリヴィエ・ナカシュ1973年4月フランス生まれ。
キャスト
フランソワ・クリュゼ1955年9月パリ生まれ。
オマール・シー1978年1月フランス生まれ。