
2004年9月、アメリカ最大のテレビ・ラジオ・ネットワーク放送局CBSのドキュメンタリー報道部門のプロデューサー、メアリー・メイプス(ケイト・ブランシェット)は、ダン・ラザー(ロバート・レッドフォード)がアンカーを務めるドキュメンタリー番組「60 Minutes」でブッシュ大統領の州兵経歴疑惑を放送した。
その情報源は、ビル・バーケット中佐(ステイシー・キッチ)で、ファミリー・レストランに彼の妻ニキ同席の上コピーされた書類を受け取った。メアリーは、カメラの前で話して欲しいと言ったがニキが猛反対したため実現しなかった。そのときメアリーは、「あなた方を必ず守ることを約束する」とまで言う。
しかし、放送後の反響は、捏造だとか、偽情報だとか放送の信憑性が疑われ始める。しかも、ネットではメアリーに向かって罵詈雑言の汚い言葉での攻撃もある。2004年は、ブッシュにとって第2期目の大統領選終盤を目の前にしていた。こういうことも影響したのかブッシュの州兵経歴疑惑よりも捏造問題にすりかえられた事態になった。
メアリーらは、ダンと協力してビル・バーケット中佐にカメラの前で一部始終を語らせる。 が、「嘘をついた」というだけで問題の解決にはならない。そして、内部調査専門のカートパトリック&ロックハート法律事務所が主導の調査が行われる。州兵経歴疑惑問題は自動的に終焉する。
さらに、ダン・ラザーの引退とメアリーを始めスタッフ3人も解雇でピリオッドが打たれる。取材の難しさと証言者を守る限界があることが分かった。
もともとビル・バーケット中佐の証言を何の疑いもなく信じたことと捏造批判をかわそうとビルをカメラの前に引っ張り出したことを見るとメアリーも一介の使用人で「あなた方を守る」というのは出来ない相談だった。
この「守る」と言うことは、日本のメディアにも言えるだろう。私たちはこの「守る」というのを信じないほうがいい。私にとってこれが映画の教訓となった。
それにメアリーの夫になったジョン・ベンジャミン・ヒッキーが、なんとなく場違いで精彩のなさが目を引いた。アカデミー賞女優のケイト・ブランシェットの相手が、経歴は長いがほとんど端役となれば熱い抱擁とかキスはまったくないという惨状を呈していた。果たしてこの夫の存在が必要だったんだろうかとも思える。映画自体はスリリングで面白かった。

監督
ジェームズ・ヴァンダービルト1975年アメリカ生まれ。
キャスト
ケイト・ブランシェット1969年5月オーストラリア、メルボルン生まれ。2013年「ブルージャスミン」でアカデミー賞主演女優賞受賞。
ロバート・レッドフォード1936年8月カリフォルニア州サンタモニカ生まれ。
トファー・グレイス1978年7月ニューヨーク州ニューヨーク生まれ。
エリザベス・モス1982年7月カリフォルニア州ロサンゼルス生まれ。
ジョン・ベンジャミン・ヒッキー1963年6月テキサス州生まれ。
デニス・クエイド1954年4月テキサス州ヒューストン生まれ。
ステイシー・キーチ1941年6月ジョージア州生まれ。
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