緻密さと切れ味の鋭さがあるドラマ。農家の片隅にある掘立小屋で、男が殺されているのが発見される。このドラマのユニークなところは、この犯人が最初から明らかになることだ。
この犯人は、かつて殺人事件を扱う敏腕の弁護士ウィリアム・トラヴァース(ジェームズ・ピュアフォイ)だった。なぜ、トラヴァースは、この男を射殺しなければならなかったのか? なぜ、正義の味方が不正を働くのか?
事件が起きたのは、イギリス、サフォーク州の州都イプスィッチ近郊の農地だった。このイプスィッチに今は殺人事件を扱わないウィリアム・トラヴァースが、妻ジェーン(デヴラ・カーワン)と住んでいた。ウィリアムもジェーンも現状に満足しているわけではなかった。ジェーンは、夫が元のように殺人事件を扱ってロンドンの法律事務所に戻ってほしいし、自分もロンドンの出版社の誘いを受けたいと思っていた。
そんなとき、ケンブリッジで共に学んだ友人マーティン・ニューアル(ナサニエル・パーカー)が、殺人容疑で逮捕されその弁護を依頼してきた。
一方、掘立小屋での殺人事件を捜査する刑事マーク・ウェンボーン(チャーリー・クリード=マイルズ)が徐々トラヴァースに近づいてくる。
もし「殺人はしていない」という依頼人の言葉を信じて、無罪を勝ち取りその後真犯人が依頼人だったと分かった時の弁護士の気持ちはいかがなものか。裁判で決着がついた事件を警察は当然捜査しない。真実を犯罪人特有の狡猾さで担当弁護士にあざ笑うかのように告げることだ。そう、これがウィリアム・トラヴァースの引き金になった。
さて、ウィリアム・トラヴァースは逮捕されるのだろうか。意外な展開があって楽しめましたよ。
別の話題に移ると、トラヴァースが乗る車は、トヨタ・プリウス・ハイブリット、ジェーンは、ホンダCR-V。このテレビドラマに日本メーカーが協賛した痕跡がないので、恐らく生産量も多い大衆車では日本車のシェアが大きいのだろう。
なお、ウィリアム・トラヴァースを演じたジェームズ・ピュアフォイは、どこかで見た俳優だと思っていたら、このアマゾンでも観られる「ハップとレナード、シリーズ」のハップ役を演じている。2011年制作
監督
コーム・マッカーシー 1973年2月イギリス、スコットランド生まれ。
脚本
アンソニー・ホロヴィッツ1955年4月イギリス、ロンドン生まれ。
キャスト
ジェームズ・ピュアフォイ1964年6月イギリス、イングランド生まれ。
デヴラ・カーワン1971年8月アイルランド生まれ。
ナサニエル・パーカー1962年5月イギリス、ロンドン生まれ。
チャーリー・クリード=マイルズ1972年3月イギリス、ノッテンガム生まれ。