
8月のオクラホマ。気温32度。バイオレット(メリル・ストリープ)の夫べバリー(サム・シェパード)失踪で伯父チャールズ(クリス・クーパー)の一家、長女バーバラ(ジュリア・ロバーツ)と別居中の夫ビル(ユアン・マクレガー)と娘ジーン(アビゲイル・ブレスリン)、次女カレン(ジュリエット・ルイス)のは怪しげな婚約者。末娘のアイビー(ジュリアンヌ・ニコルソン)は、まだ独身で両親と住んでいる。集まってきた姉妹や親戚はみんな暑い暑いとぼやく。
やがて凶報が届く。湖でべバリーの死体が発見された。葬儀のあとの夕食の席で伯父の祈りが終わったが、故人を偲ぶこともなく、毒舌で言いたい放題のバイオレットに長女バーバラが噛み付く。雰囲気は想像できると思う。
メリル・ストリープとジュリア・ロバーツの二人がやたら目立つだけで、他の俳優は添え物みたい。実力派の俳優を起用しながら、これという役どころもない。家族の大喧嘩でみんなばらばらに散っていく。オハイオの荒野の一軒家に取り残されるバイオレット。家族はあまりにも近いために憎しみも尋常じゃない。この映画のキャッチコピーに「愛しいから憎らしい」とあるが、こじつけに思える。
一つ面白いセリフがあった。ユアン・マクレガーがハンドルを握りその横にジュリア・ロバーツ。バックシートには娘のアビゲイル・プレスリンがヘッドホーンで一人の世界に没頭している。
ユアンが手を伸ばしてジュリアの手に重ねる。ジュリアは、一言「Don't」。「Don't tuoch me」でなくDon'tだ。「ダメ!」の一言だろう。これでこの一家に冷たい風が吹いているのがわかる。
外から見れば、夫が運転して妻が助手席、後ろに娘。幸せな家庭に見える。ところがDon'tだ、従って、実家もDon'tを凝縮したみたいだ。
アカデミー賞常連のようなメリル・ストリープを見ているとこちらも慣れているのか、あまり感動を覚えない。どちらかと言えばちょっと食傷気味。ジュリア・ロバーツもあの大きな口に噛みつかれる恐怖もあって見たい女優でもない。むしろクリス・クーパーやユアン・マクレガーが気の毒になってくる。



監督
ジョン・ウェルズ1956年5月ヴァージニア州生まれ。
キャスト
メリル・ストリープ1949年6月ニュージャージ州生まれ。
ジュリア・ロバーツ1967年10月ジョージア州生まれ。
ユアン・マクレガー1971年3月イギリス、スコットランド生まれ。
クリス・クーパー1951年7月ミズーリ州カンザスシティ生まれ。
アビゲイル・ブレスリン1996年4月ニューヨーク州ニューヨーク生まれ。
ジュリエット・ルイス1973年6月ロサンジェルス生まれ。
ジュリアンヌ・ニコルソン1971年7月マサチューセッツ州生まれ。
ミスティ・アッパム1982年7月~2014年10月自殺、モンタナ生まれ。
サム・シェパード1943年11月イリノイ州フォートシェリダン生まれ。
ベネディクト・カンバーバッチ1976年7月イギリス、ロンドン生まれ。
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