ラーメン好きの鈴木さん、として藤子不二雄のマンガなどでキャラ的には有名になった鈴木 伸一氏の巻。トキワ荘後、アニメーターとして生きることになります。マンガ家 → アニメーターは吉田 竜夫氏などもそうでしょうか、結構いますよね。
表紙は、寺田氏、藤子不二雄両氏、石森氏、赤塚氏、森安氏、自分の似顔絵が並んでいます。本人はベレー帽をかぶって机の前にいます。多分写真から起こしたような、写実的な似顔絵です。気になったのは、前回の巻を描いた森安氏の顔。前回の本人の絵だと、背も低く、可愛い感じの子供っぽい絵に描かれていますが、こちらはホームベース型の四角いごつい顔にめがね、背も大きそうです。他の巻に出てくる森安氏も同じイメージなので、こちらの方が本当の姿なのでしょう。なんで可愛く描いたのかしら。理想を描いたのか ?
それはさておき、又、黒字は作品中のセリフ及び文章となっています
寺さんから敷金を拝借してトキワ荘に入ったのは(昭和)30年の9月であった。すでに寺田、藤本、我孫子の3氏がはいっていた。それからまもなく石森、赤塚、森安の3氏も南京虫とともにやって来てすみついた。
鈴木氏はペンネーム (風田 朗) からフーちゃんと呼ばれていたらしい。当時まんがだけでは食えない鈴木氏は、昼間は水道橋にあるデザインスタジオで働き、夜アパートへ帰ってまんがを描く毎日だった。仕事から帰ってこれから徹夜でまんがを描くという寺田氏と一緒にまんがを描きはじめるが、昼間の疲れがでて眠くなり大イビキを掻き始める。うるさくて仕事にならない寺さんに顔にスミを塗られてしまった。(ぷぷっ)
2階の間取りが詳しく出ていて、キッチリ各部屋の様子が俯瞰図で描かれています。我孫子氏の部屋には手塚先生からもらった机があるとか、藤本氏の部屋には (藤本氏はお母さんと一緒に住んでいた) プラモデルの帆船が飾ってあったとか、石森氏の部屋に「凄い音を出すステレオ」があったり、ベートーベンのデスマスクが飾ってあったり、鈴木氏と一緒の部屋にいた森安氏の机は師の田河 水泡氏から頂いたものだとか。作者の几帳面な性格がかいま見えます。
安孫子氏がいつも行くフロ屋でないフロ屋に行って、男湯と女湯を間違えて女性客に騒がれた話や、新漫画党の会合の時のエピソードなどが続きます。
新漫画党の会合は、始めは真面目に今度デッサン会をやろうとか、先輩漫画家の話を聞きに行こうとか、子供達と交流会を開こうとか、言っているのですが、そのうちいたづらが始まります。蝋細工のピーナッツをみんなが藤子両氏に食べさせられたり、それを美味いと森安氏がざーっと全部食べてしまったり、
寺さんがプープークッションの犠牲になったり、ガムを取ろうとしてパッチンとやられたり、みんな子供みたい。石森氏の肩にハチが止まっていて寺さんが新聞ではたいたらこれも藤子氏がつけたつくりもの みんなでふざけあった楽しい思い出。考えて見たらみんな20代前半なんですよね。
そんなして騒いでいると、下の住人からホーキの柄で天井をドンドンされ、
あんたたち、少し静かにして頂戴!! と怒られててしまいました。下のおばさん、
まったく二階の若いもんときたらも働きにもいかないで遊んでばかりいて、日本もダメねぇ
なんて言ってる。昼真っから部屋にいて、ポンチ絵を描いてる若者なんてカタギには見えなかったのでしょう。
最近、トキワ荘を訪ねてみた。もうまんが家は一人も住んでいない。
― 略 ―
しかし、廊下に立っていると十数年前の生活が懐かしくよみがえってくる。貧乏だったが若さがあった。そして夢があった。ここではぐくまれた友情が今日のお互いを支えている。
最後はトキワ荘の外観のデッサンが描かれています。
表紙は、寺田氏、藤子不二雄両氏、石森氏、赤塚氏、森安氏、自分の似顔絵が並んでいます。本人はベレー帽をかぶって机の前にいます。多分写真から起こしたような、写実的な似顔絵です。気になったのは、前回の巻を描いた森安氏の顔。前回の本人の絵だと、背も低く、可愛い感じの子供っぽい絵に描かれていますが、こちらはホームベース型の四角いごつい顔にめがね、背も大きそうです。他の巻に出てくる森安氏も同じイメージなので、こちらの方が本当の姿なのでしょう。なんで可愛く描いたのかしら。理想を描いたのか ?
それはさておき、又、黒字は作品中のセリフ及び文章となっています
寺さんから敷金を拝借してトキワ荘に入ったのは(昭和)30年の9月であった。すでに寺田、藤本、我孫子の3氏がはいっていた。それからまもなく石森、赤塚、森安の3氏も南京虫とともにやって来てすみついた。
鈴木氏はペンネーム (風田 朗) からフーちゃんと呼ばれていたらしい。当時まんがだけでは食えない鈴木氏は、昼間は水道橋にあるデザインスタジオで働き、夜アパートへ帰ってまんがを描く毎日だった。仕事から帰ってこれから徹夜でまんがを描くという寺田氏と一緒にまんがを描きはじめるが、昼間の疲れがでて眠くなり大イビキを掻き始める。うるさくて仕事にならない寺さんに顔にスミを塗られてしまった。(ぷぷっ)
2階の間取りが詳しく出ていて、キッチリ各部屋の様子が俯瞰図で描かれています。我孫子氏の部屋には手塚先生からもらった机があるとか、藤本氏の部屋には (藤本氏はお母さんと一緒に住んでいた) プラモデルの帆船が飾ってあったとか、石森氏の部屋に「凄い音を出すステレオ」があったり、ベートーベンのデスマスクが飾ってあったり、鈴木氏と一緒の部屋にいた森安氏の机は師の田河 水泡氏から頂いたものだとか。作者の几帳面な性格がかいま見えます。
安孫子氏がいつも行くフロ屋でないフロ屋に行って、男湯と女湯を間違えて女性客に騒がれた話や、新漫画党の会合の時のエピソードなどが続きます。
新漫画党の会合は、始めは真面目に今度デッサン会をやろうとか、先輩漫画家の話を聞きに行こうとか、子供達と交流会を開こうとか、言っているのですが、そのうちいたづらが始まります。蝋細工のピーナッツをみんなが藤子両氏に食べさせられたり、それを美味いと森安氏がざーっと全部食べてしまったり、
寺さんがプープークッションの犠牲になったり、ガムを取ろうとしてパッチンとやられたり、みんな子供みたい。石森氏の肩にハチが止まっていて寺さんが新聞ではたいたらこれも藤子氏がつけたつくりもの みんなでふざけあった楽しい思い出。考えて見たらみんな20代前半なんですよね。
そんなして騒いでいると、下の住人からホーキの柄で天井をドンドンされ、
あんたたち、少し静かにして頂戴!! と怒られててしまいました。下のおばさん、
まったく二階の若いもんときたらも働きにもいかないで遊んでばかりいて、日本もダメねぇ
なんて言ってる。昼真っから部屋にいて、ポンチ絵を描いてる若者なんてカタギには見えなかったのでしょう。
最近、トキワ荘を訪ねてみた。もうまんが家は一人も住んでいない。
― 略 ―
しかし、廊下に立っていると十数年前の生活が懐かしくよみがえってくる。貧乏だったが若さがあった。そして夢があった。ここではぐくまれた友情が今日のお互いを支えている。
最後はトキワ荘の外観のデッサンが描かれています。