白泉社 昭和61年8月31日 初版 初出は 愛猫家の愛読書 「猫の手帳」 1982年7月号~1984年6月号まで2年間の読み切り連載でした。
この本は我が家の犬・猫かかりつけの動物病院のラックにある本なのです。この病院が以前の場所から今の場所に引越しする前からラックの中にあり、順番待ちの飼い主さんたちがたまに読んでいます。私もこちらにお世話になり始めてすぐに読みました。
読み切り短編集ですがシリーズものも有り、もちろん内容は猫ちゃんたちの物語ばかり。哀しい飼い主さんとの別れの話、詩物語のような青年と猫の愛情物語、おばあちゃん・おじいちゃんと外猫の話、作者 (伊東 愛子氏) と思しき女性と近所の猫たちとの交流の話などなど、20篇以上の違った話を違った絵柄で描き分けています。
この、毎回絵柄が違うと言うのは結構大変だと思うのですが、知らない人が月々を別に読んだら別作家と思うくらいに、シリアスタッチからほのぼのタッチ、少女漫画風にと描き分けているのは流石にプロだなぁと感心します。
50歳代の私にとっては名前と絵柄だけ知ってるまんが家さんですが、今40歳代の方たちには 昭和52年頃 別冊少女コミック連載の 「先生に異議あり!」 の天然パーマでアーモンドの目をした少女を思い出す方も多いのでは ?
ところが、記事を書くので調べようと、セブンアンド○イ・インターネットショッピングの伊藤 愛子欄を見てみると、 絶版または重版未定 の文字ばかり。今は絶版ばかりで買えないということなのね !
昭和48年4月の 週間セブンティーン 「風にのったミオ」 でデビュー以来、別冊少女コミック、リリカ、フラワーデラックス、週間少女コミック、ララ、プリンセス、グレープフルーツと1970年代80年代には結構活躍していた作家さんだと思ったのですが。
この方に限らず、中堅漫画家さんの本はあっという間に絶版になってしまって文庫にもならないので、好きな人のはついせっせと新刊を買ってしまうのですよね~。
ところで、伊東 愛子さんは萩尾 望都・竹宮 惠子氏の大泉サロン (別名 キャベツ畑の2階屋・大泉一族の砦) にメシスタントとして売り込み、メンバーになった方で、萩尾望都、花郁悠紀子、伊東愛子、城章子、佐藤史生5名の有名な1979年8月のヨーロッパ旅行なども一緒に行っています。
私の持っている1978年9月30日発行のペーパームーンファンタジーシリーズ 「少女漫画 妖精国の住人たち」 のアンケートの中に可愛らしい高校生のようなお顔の写真が載っています。作品もほのぼのしたものが多いようですね。このアンケートの中で手塚 治虫先生のSF 「キャプテン・ケン」 の異星人のコーラスが好きと言っているのが印象的。音楽では人の声がお好きだそうです。
佐藤 史生さんの膨大なデータベースを発表されている方 → 佐藤 史生データベース によると、
伊東愛子さんがはじめて人にベタを塗ってもらったのが、増山のりえさんによるもので、消しゴムをかけたのが佐藤史生さんだそうです。しかもそれが伊東愛子さんのデビュー作だったそうで萩尾望都さんのカンズメのアシストをしたときの話だそうです。
くらくらするような豪華なデビューだ。
今は作品は描かれていないのでしょうか ? どなたか知っていたら教えてください。