満天さんよりお借りしています。
山下 和美著 「不思議な少年」 講談社 モーニングコミックス
私の年代だと 「不思議な少年」 と言うと 手塚 治虫氏 の時間を止めることが出来る 「ふしぎな少年」 を思い出します。生放送で見てました。太田 博之可愛かったなぁ。 「マグマ大使」 では江木 俊夫が主人公をやっていて、当時は少年ヒーロー役というとこの二人だったっけ。
何を隠そう 「鉄腕アトム」 も実写でドラマになったことがあるんですよ。
それはさておきこちらの作品、山下氏はその手塚先生のライフワークだった 「火の鳥」 を山下版で描きたいのかな、と思いながら読み始めた。火の鳥も少年も狂言回しに過ぎず、作者の描きたいのは人間そのものなんだろうと。
しかし流石に同じ事を描くはずもなく、設定の幅は大きくなっていて、主人公の少年 (少年と青年の中間位かな) はタイムマシンのように時間と場所と性別までも自由に移動できるだけでなくて、パラレルワールドへも行き来自由らしい。読者は彼に付いて、古今東西、あらゆる場所、時間どころか、この世の物ならぬ他の世界の人間までかい間見ることになる。
これって 世界をお造りになられた神 以上の存在ではないか ?
又、少年は興味を引いた人間にくっついて人生を送り、旅をしたり家族に成りすまして一緒に生活したり、執事になったり、奥さん (!) になったりしている。
そしてその人の死まで見届けたり、している。火の鳥が時々 永遠の命を得ることになる自分の血 を人間にあげる以外は (例外的に人との間に娘を持ったりするが) 人の世を諦観とともに静かに眺めているのと比べると、より積極的に人間に関わっている。
彼は時々背中に羽の生えた天使になったり、天女の羽衣のようなものを肩にふわりと掛けた格好で描かれているが、もちろんこれは人間にそう見えるようにしているだけで、演出というヤツだ。人間の歴史の合間、合間にそういった彼の姿が壁画や絵画などで留められることになる。
が、この少年という姿ももちろん仮の姿、ということになるから、彼の本当の姿、正体って何 ?
彼の存在自体謎だけれど、そうまでして人間に関わる彼の目的ってなんだろう ? と考えてしまう。これは 「いつでも、どこに行っても人間は同じだね」 というのが口癖の、永遠の命を持つ少年の壮大な暇つぶしなのか ?
まだ連載は続いているようなので、山下氏がどのようにこの物語を終わらせるのか、非常に楽しみです。
PS. 佐藤 史生氏 「この貧しき地上に」 「鬼追うもの」 現在草稿中。これが又世界が大きくて。
山下 和美著 「不思議な少年」 講談社 モーニングコミックス
私の年代だと 「不思議な少年」 と言うと 手塚 治虫氏 の時間を止めることが出来る 「ふしぎな少年」 を思い出します。生放送で見てました。太田 博之可愛かったなぁ。 「マグマ大使」 では江木 俊夫が主人公をやっていて、当時は少年ヒーロー役というとこの二人だったっけ。
何を隠そう 「鉄腕アトム」 も実写でドラマになったことがあるんですよ。
それはさておきこちらの作品、山下氏はその手塚先生のライフワークだった 「火の鳥」 を山下版で描きたいのかな、と思いながら読み始めた。火の鳥も少年も狂言回しに過ぎず、作者の描きたいのは人間そのものなんだろうと。
しかし流石に同じ事を描くはずもなく、設定の幅は大きくなっていて、主人公の少年 (少年と青年の中間位かな) はタイムマシンのように時間と場所と性別までも自由に移動できるだけでなくて、パラレルワールドへも行き来自由らしい。読者は彼に付いて、古今東西、あらゆる場所、時間どころか、この世の物ならぬ他の世界の人間までかい間見ることになる。
これって 世界をお造りになられた神 以上の存在ではないか ?
又、少年は興味を引いた人間にくっついて人生を送り、旅をしたり家族に成りすまして一緒に生活したり、執事になったり、奥さん (!) になったりしている。
そしてその人の死まで見届けたり、している。火の鳥が時々 永遠の命を得ることになる自分の血 を人間にあげる以外は (例外的に人との間に娘を持ったりするが) 人の世を諦観とともに静かに眺めているのと比べると、より積極的に人間に関わっている。
彼は時々背中に羽の生えた天使になったり、天女の羽衣のようなものを肩にふわりと掛けた格好で描かれているが、もちろんこれは人間にそう見えるようにしているだけで、演出というヤツだ。人間の歴史の合間、合間にそういった彼の姿が壁画や絵画などで留められることになる。
が、この少年という姿ももちろん仮の姿、ということになるから、彼の本当の姿、正体って何 ?
彼の存在自体謎だけれど、そうまでして人間に関わる彼の目的ってなんだろう ? と考えてしまう。これは 「いつでも、どこに行っても人間は同じだね」 というのが口癖の、永遠の命を持つ少年の壮大な暇つぶしなのか ?
まだ連載は続いているようなので、山下氏がどのようにこの物語を終わらせるのか、非常に楽しみです。
PS. 佐藤 史生氏 「この貧しき地上に」 「鬼追うもの」 現在草稿中。これが又世界が大きくて。