デパートの売上は2008年が5.7兆円、バブル後の1992年のピークが9.7兆円、その後持ち直して1997年に9.2兆円、そして2009年は6.6兆円とであった。2009年は1992年のピークのざっと2/3だ。つまりは、80年から92年には年率4.5%で延びたが、97年以降は2.7%で縮小している。分からないのは、出店・閉店も加味した坪効率(坪あたり売上)の推移だ。閉店や転用により売場面積は減少している。<o:p></o:p>
そこで、デパートの閉店のパターンを分けた。思いつく事例とともに:<o:p></o:p>
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① 専門店への賃貸:三越新宿南館→大塚家具(1999年)<o:p></o:p>
② 専門店への売却(入れ替わり):三越池袋店→ヤマダ電機(2009年)<o:p></o:p>
③ 専門店への売却(建替え):近鉄京都→ヨドバシカメラ(2010年)<o:p></o:p>
④ 賃貸からの退去と専門店の入れ替わり:そごう東京店→ビックカメラ(2001年)<o:p></o:p>
⑤ デパートへの売却(入れ替わり):そごう心斎橋本店→大丸心斎橋北館(2009年)<o:p></o:p>
⑥ デパートへのグループ再編:丸井今井→三越・伊勢丹(2009年)<o:p></o:p>
⑦ 閉鎖のみ:近年多い<o:p></o:p>
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これらの結果から<o:p></o:p>
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1. デパートの集中と選択による床面積縮小<o:p></o:p>
つまりは、選ばれたデパートが生き残る。質は保たれ、量は少なくなるは大量出店の歴史の裏返し<o:p></o:p>
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2. 専門店への進出機会の提供<o:p></o:p>
専門店の都心・好立地の出店機会となる。つまりは、家電・家具の専門店化が進むということだ。競合によりデパートの家電・家具の縮小は進むことになる。いよいよ、家電(単価が大きい)の競合は進む。逆に、肌理細やかか提案の矜持は高まる。<o:p></o:p>
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3. 都市への影響は大都市では軽微、地方都市では<o:p></o:p>
デパートが核であった都市は撤退が問題となろう。逆に、将来は小さなデパートの可能性があるかもしれない。歴史は繰り替えす。小さく、居心地の良いチェーンも多い。紀伊国屋やDean & Delucaを見てみよ。(そのうちボストンのBread&Circus と Au Bon Pain も来ないかな)<o:p></o:p>
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閉店前の有楽町そごうの「食堂」は名残のお客で混雑していた。阪急百貨店の特別食堂のカレーも忘れられない。ディズニーもキャラクターは長く使っているが「アイコン」となっている。そして新しいものを同じ規範で絶え間なく加えている。幹と成長だ。デパートも集客産業として同じだ。(TDRは約2,000万人/年に比べ大型デパートは3,000万円/年)デパートは先ず規模が縮小してから、再生だろう。<o:p></o:p>
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「デパートは夢」をそのままに「施設」と「人」で変革して欲しい。<o:p></o:p>