都市と楽しみ

都市計画と経済学を京都で考えています。楽しみは食べ歩き、テニス、庭園、絵画作成・鑑賞、オーディオと自転車

偽善エコロジー、偽善エネルギー (武田邦彦):論拠が明解で流れに棹差す、行き過ぎも

2010-02-16 20:44:50 | 世情

時々、テレビでも拝見する、理系で世の変なところを理論的にときあかし痛快な先生だ。<o:p></o:p>

偽善エコロジーにはエコロジーと利権を述べている。レジ袋廃止はエコに貢献しないが、小売業はエコバッグ売上とレジ袋費用削減で儲かるなど、その効果も丁寧にケース分けで解説して面白い。<o:p></o:p>

基本の思想は「がまんとがんばるの天秤」で「人生は何か」から考えている姿勢は大したものだ。<o:p></o:p>

「愛用品の五原則」は賛成で永く使うのは、節約かつ満足度の向上の両立だ。「貧乏でも美しい心」というのは素晴らしい。<o:p></o:p>

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偽善エネルギーには、書いていいのかと思うような内容で、例えば、太陽電池がいつまでも「有望」なのは、役人の天下り先確保と学者の研究費欲しさだと見抜き、さらに使い物にならない理由と、製造エネルギーを考えると損だと言い切っている。またNHKの経団連との報道密約(経済界にはCO2削減を求めない)を書いてある。(P136<o:p></o:p>

太陽(核融合)のエネルギーが大元で、石油・石炭は遺産であり、現代人はすごいエネルギー消費で食いつぶしているが、生活の質も落とせない。そのため何をしたら効果的かを考えている。<o:p></o:p>

原子力発電は肯定的で、「科学でなく人災」が問題とある。長く使おうからエコポイントの変遷と同じで、利権と政治がゆがめている、しかし「ぼろい」のでなく「安全」な原発なら良いとしている。本当かどうか考えてみたい。<o:p></o:p>

省エネルギーはかえってエネルギーの増大をまねく(P213)は本当の面もあろう。今は、環境問題が隆盛を極めすぎているし、その割りに「省エネ」だから買換えをというのもおかしい。<o:p></o:p>

但し、30年ごとに価値観が変わるとか、貿易赤字で金融資産が減るとか、マクロ経済学で需要・供給・価格の決定(正しくはマイクロ経済学です)とか荒っぽい結論になっているのは惜しい。これでは大放談会にしかならない。但し、「無策という人災が日本を危機に」(P146)という提言は賛同します。<o:p></o:p>

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痛快で勉強になります。お奨めです。

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