都市と楽しみ

都市計画と経済学を京都で考えています。楽しみは食べ歩き、テニス、庭園、絵画作成・鑑賞、オーディオと自転車

トヨタの問題を考える:先端技術に誇りを

2010-03-02 20:14:41 | マクロ経済

 トヨタは、ブレーキのマット問題、ブレーキレバー問題、プリウスのABS問題を経て、電子制御スロットル(ETCS)問題がアメリカ公聴会で取り上げられている。<o:p></o:p>

 電子制御スロットル(ETCS)とは自動車のアクセル・ペダルとエンジンのスロットル(開け閉めのバルブのようなもの)をワイヤーなどでなく電気的に接続して制御する仕組みでドライブ・バイ・ワイヤーの一種で航空機などに使われている。<o:p></o:p>

実は、アクセル・ペダルの踏み込みは電気信号としてECU(エンジン・コントロール・ユニット)というコンピューターに伝え、ECUは、スロットル開度を初め、燃料噴射、点火時期などを、速度、負荷などに応じ動かす。というのも現代のエンジンは、空気量のスロットル以外に燃料噴射量と時期、点火時期が独立管理できる(前はキャブレターのみの調整で難しかった)という、効率の良いコンピューター制御となりつつある。おかげで、エンジンの中はいじりようが無くなり、一種のブラック・ボックスになりつつある。旧型の銀塩カメラと最新型のデジタルカメラくらい違う。制御のソフト・ウエアは検証しているだろうが、動いているものの制御のためバグはないとは限らない。<o:p></o:p>

<o:p> </o:p>

今回、カローラなどで電子制御スロットルの動作異常が取りざたされているが、本当なのだろうか。結構、一般化しつつある技術で、これがないと高出力と低燃費の両立は難しい。戦闘機やF1もバイ・ワイヤー技術で性能や操作性、安全性が進化した。トヨタは安い車にもこれを導入しており、優位性の一つだ。<o:p></o:p>

見えないブラック・ボックスは不安もあろう。(フェイル・セーフは確保しているだろう、機械式でも事故は起こる)ただ、消費者の事故事例の検証も充分だろうか。豊田社長の「製品に問題はない」、「顧客意見は対応する」というのは、正しい。(機械は機能しても、コンピューターのバグや利用者の意見反映が必要だからだ) 先進的な方式採用にともなう「コスト」として「バリア」を乗り越えて頂きたい。「バリア」は次には新規参入の障害となり守りにもなる。<o:p></o:p>

この技術はそれこそ環境にも優しく燃費も良いという効用があり、誇りとすべきものだ。それにしても社長の「顧客目線」という言葉はどうだろう。<o:p></o:p>

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする