本寸法とは本格の意味であろう。池波正太郎と生い立ちや苦労を、そして直木賞をなぞらえているようにも思える。<o:p></o:p>
想い出の情景とともに食べ方や店の佇まい、時代を書いており大変楽しめる。「そうそうあの店は」と思える方には好適だ。<o:p></o:p>
上手い文章だが好みとして「食する」は頂けない。別の話だが散見する「食わせる」も好きではない。「する」というのはもともと動詞がないので、名詞につけるものだ。食べる、頂く、頂戴するで文書はまとまる。「食わせる」は明治に流行ったようだ。結構見かけるが、「料理を出す」と言えば言いと思う。閑話休題<o:p></o:p>
懐かしいお店には天龍がある。酢醤油、ラー油と書いてあるが辛子も入れると美味しい。(お土産には入っている)この大ぶり餃子の描写の上手なこと、美味しそうなこと。<o:p></o:p>
京都でも2店ほど紹介されているが、スマート珈琲での快食は本領発揮だろう。(ホットケーキ、コーヒー、定食にオムライス)<o:p></o:p>
気に入っているのはカレーのところで、作者の幼少時代「だれんくがカレーを作りゆうがぜよ?」とあると「おれんくやき」と晴れがましくこたえる情景だ。紹介されるお店も街場にあり今までに無い観点だ。これに、池波のようなさっぱり晴れた味覚の基盤と主張があれば更に良い。