ホテルに続いて、タワーマンションを考える:
桂離宮の苔から茸がにょきにょき生えているような景観が阪神間を走る電車からの風景だ。なんの規制もないのをいぶかしがったが、やっと「神戸市タワーマンション規制条例案」ができるという。( http://www.city.kobe.lg.jp/information/project/urban/kobetoshin/img/dai4kai_toshin_shiryou5.pdf )趣旨は、景観維持、都心業務(オフィス)機能の伸長、あわせて優良マンション管理の認証制検討( https://www.kobe-np.co.jp/news/sougou/201906/0012415105.shtml )遅きに失しているが、これ以上の景観破壊を止められるのは良い。もともと阪神間の産業は「住宅」であった。そのため、より眺めの良いタワーマンションが林立したのだろう。しかし、マクロ的には街並みのちぐはぐ感につながった。六甲山手前に邪魔なタワーとしか思えない。
大阪でも船場のタワーマンションとホテルの林立がある。これは、住宅なら、600%の容積に200%ボーナスがあるという制度が誘引していると考えられる。「大阪市 船場都心居住促進地区ボーナス制度」( https://www.city.osaka.lg.jp/toshikeikaku/cmsfiles/contents/0000005/5302/20130401senba.pdf )この制度を受けて、梅田などに転出した本社ビルの跡地がマンションとなっている。かつてのCBD(中心業務地区)は、タワーマンション混在地区となっている。しかも、タワーマンションは船場の街と、高さ、形態、低層の開放性などに難があり、街並みと融和していない。
職住近接により、かつてのビジネス・モデルとしての繊維クラスタ―(集積)の紡績・アパレル・商社・卸のである船場が変化するのは、時代の流れだ。変容させるなら、オフィスの上に、ボーナス制度で住宅を付置(または集約建設)するのが良い。「大阪市 都心居住容積ボーナス制度」( https://www.city.osaka.lg.jp/toshikeikaku/cmsfiles/contents/0000004/4899/2017jyuutakuhuti.pdf )も活用できる。
モザイク状の大型建物開発よりも、街並みや露地のある多様なスケール、大通りと内側の違いなど船場としての面白さが欲しい。
御堂筋は銀行の合併などで1階が開放され歩行者空間として活用されている。合わせて、自転車と鉾者の分離も課題だ(タワーマンション居住者の3人乗り自転車も多い)