FRBはコロナ禍の経済対策を行い、10年国債(10y US Treasury)の金利が急低下した。( https://fund.smbc.co.jp/smbc/qsearch.exe?F=mkt_bond_detail&KEY1=BUSG.10Y/USGT&CTYPE=4 )
このほど、Tapering( https://www.investopedia.com/terms/t/tapering.asp )により年末から正常に戻すと報道があった。
アメリカでは、インフレ率は2%を超え、実質金利がマイナスとなり、株高や資産投機が発生している。( https://ecodb.net/country/US/imf_inflation.html )
これに対し、日銀の金融緩和は2012年の第二次安倍政権のアベノミクスにより2013年からマネタリーベースの量的緩和があり(それまでの日銀は公定歩合など金利政策だった:アメリカ淡水派経済学のMonetary Policy、海水派のクルーグマンもマイナス金利に賛成したが反省)今に至る。( https://www.boj.or.jp/announcements/education/oshiete/seisaku/b42.htm/ )しかし、インフレ率は2%を狙ったが殆ど0で、GDPの成長率まで0だ。恩恵を受けるのは、住宅ローンの金利の低下と投機的資金くらいだ。
日銀の資産は急増し、国債550兆円、ETF(株)50兆円( https://www3.nhk.or.jp/news/html/20201126/k10012732601000.html )となっている。国債は金利が低く、株は2万円が損益分岐点となり、爆弾としか言いようがない。詰まりは、アベノミクスとは日銀を使い、金利を低下させ株価を吊り上げた経済トリックと言える。あたかも、直営店舗を売却し含み益を利益としたマクドナルド原田社長と同じような手法だ。
日銀は、これ以上低金利を維持するために国債の買い入れもできず、株価も下げる訳にもいかず、どうにも動けない。アベノミクスの負の遺産だ。
今の金利では、定期預金100万円を年0.002%で1年預けても20円で、税引き後は15円となりチロルチョコも買えない。一億円預けても金利は2千円だ。
また、低金利で円が110円と大幅な円安でインバウンド・ツーリズムを誘発した。実質は60円~70円位と欧米を旅行での一風堂ラーメン($15)やビッグマックの値段( https://ecodb.net/ranking/bigmac_index.html )から思う。錦の一風堂(閉店)前に白人観光客が団体でならんでいたのを思い出す。アメリカのインフレが毎年2%なら30年で日本の物価は半値になり、逆に円は高くならないとおかしいが、そうはならない不思議だ。
さらに、観光利権などGo To Travel強行で記憶に新しい。要は、我が国はGDPの成長がないなか、ゼロサムで利権の食い合いがこの10年横行していた。中抜きのパソナの竹中平蔵や観光イケイケのアトキンソンなどもこの一派だ。
しかもコロナ禍のどさくさで無担保無金利融資が45兆円以上積みあがっている。これも不良債権化の懸念がある。というのも、外食、ブライダル、ホテル・旅館、土産物などの融資が多いが、破産も多い。また、外食の閉店も多く銀座や心斎橋筋や三宮センター街、京都の繁華街でも閉店が目立つ。ゲストハウス(簡易宿泊所)やカプセルホテルの閉所も目に付く。ホテルの閉所、売却、チェーン破綻もある。観光産業とは景気や疫病(SARS,MARS等)の影響が大きい不安定な「忙しすぎて儲かるか、閑古鳥か」の特性があり、都市産業として補完の役割は良いが、これを柱にするのは投機に近い都市経営だ。京都市の門川市長のホテル政策など反省すべきだ。今からでも中期的な赤字対策として京都の大学卒業生の活用とIT産業育成のためオフィスに転用すべきだ。
株価だけは高値止まりだ。古い時計や自動車への投機も目立つ。ここは、金利が低くても預金でリスク回避だ。仕事も守るため、資格や独自能力を高め防衛するのが良い。不動産なども賃料下落で価格下落だ。給与が減り、需要が減少している状況ではGDPの成長は見込めない。
衆議院選挙を待つ時期だ、その結果で日銀の動きも見定められる、またコロナ禍経済対策として生活平常化や雇用、融資の動向も