都市と楽しみ

都市計画と経済学を京都で考えています。楽しみは食べ歩き、テニス、庭園、絵画作成・鑑賞、オーディオと自転車

歌舞伎は教養か、梨園といわれいつから特殊な芸能の世界になったか

2023-06-04 02:01:57 | 世情

 学生の頃、女性に誘われて歌舞伎など観劇したことがある。そのころは古典音楽のコンサート・ホールと美術館が好きであり、落語は聞いていたが、途絶えた。

 1603年出雲阿国のかぶき踊りは性的な側面もあり、禁止された。これに伴い、女性支配の遊女が、男性支配の遊郭に転じたといわれる。古典音楽(https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%82%AF%E3%83%A9%E3%82%B7%E3%83%83%E3%82%AF%E9%9F%B3%E6%A5%BD )では、バロック音楽の時代だ。

 野郎歌舞伎は元禄から( https://ja.wikipedia.org/wiki/%E6%AD%8C%E8%88%9E%E4%BC%8E )であり、歌舞伎の歴史は400年程となる。

 江戸時代の歌舞伎の「座」は、臭い、暗い、汚いの3拍子揃った仮設建築が多かった。( https://ja.wikipedia.org/wiki/%E6%B1%9F%E6%88%B8%E4%B8%89%E5%BA%A7 )電灯普及前は暗く、そのため衣装や化粧が派手になったという。また、観劇には茶屋で休む、茶屋制と日帰り旅行の側面があった。

 現代の照明による歌舞伎とは別物だ。

 バレーやオペラも同じだが、教養としてありがたがるのはどうだろうか。古典音楽も、モーツアルトは幕末期、ロマン派は明治期だ。たかだか、250年位前の音楽だ。これも、男性シルバー雑誌に「クラッシックの聴き方」なんぞあるが、付け焼刃では無理だ。数を聴き、楽しいと感じるまでには最低数年かかる。

 人気のある絵画の印象派も150年前位のチューブ絵具の発展とともに発達した。合わせて、建築などの歴史も包括し理解するのが良い。( https://ja.wikipedia.org/wiki/%E8%A5%BF%E6%B4%8B%E7%BE%8E%E8%A1%93%E5%8F%B2 )

なお、宗教画や風俗画、歴史画など注釈をつけて見方を解説する本もあるが、分解的であり、初心者には適さない。むしろ、歴史など絵画の発達とテーマの変遷、国家の争い、市場の変化など背景から入るのが得策だ。これも美術館に数年通わないと好きな画家や好きな絵に出会わない。

 歌舞伎を、難しいもの、来歴を知らないと楽しめないものとされているが、上記より「娯楽」性が強い。筋書を知っていれば充分楽しめると思う(古典音楽でも何度も同じ曲を聴き、指揮者やオーケストラや録音年代の違いを楽しむ)。独自の贔屓筋と江戸時代からの屋号( https://ja.wikipedia.org/wiki/%E6%AD%8C%E8%88%9E%E4%BC%8E%E5%BD%B9%E8%80%85%E3%81%AE%E5%B1%8B%E5%8F%B7%E4%B8%80%E8%A6%A7 )が閉鎖性を強めたのではないか。現代では相撲に同じく江戸時代からの部屋が残るが。( https://ja.wikipedia.org/wiki/%E7%9B%B8%E6%92%B2%E9%83%A8%E5%B1%8B )なお、相撲も歌舞伎も茶屋制が共通する

 歌舞伎知識が教養化すると、「〇〇検定」のようになるだろう。お芝居を楽しむというのではない。「手段が目的化することを趣味という」オーディオ評論家の長岡鉄男の名言にあるが。

 梨園とか特殊な世界にしているのは、贔屓筋の引き倒しのようにも思える。美術や古典音楽愛好者などにはそんな動きはない。

 屋号の制度も見直しの時期ではと思う。協調した業界の発展を考えるべきだ。歌舞伎は時代に合わせ変化してきた。現代音楽や芸術など、これがクラシカルかと思うのも多い

 松竹の改革に期待する

コメント
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