都市と楽しみ

都市計画と経済学を京都で考えています。楽しみは食べ歩き、テニス、庭園、絵画作成・鑑賞、オーディオと自転車

映画TARを観る:最後の20分はいらなかった、中森明菜やヒラリー・クリントンを想い出す

2023-06-16 02:29:44 | 趣味

 天才的、レズビアンのベルリン・フィル指揮者。パートナーはそのコンサート・マスター。素直に、マーラー5番を録音すればいいのに、なぜか新人チェリストを発掘し、エルガーのチェロ協奏曲をあわせる。(絵で言うと煌びやかなクリムトとしっとりとしたミレーを並べるようなもの)

 設定がえらく不自然だが、主演のCate Blanchettが女王様の威厳をまき散らす。半面、安定剤だよりの弱い側面もある。

 音楽関係の引用は多い

・マーラーの5番の4楽章 Adagietto は「ヴェニスに死す」の美少年愛

・Bernsteinもhomosexuality  https://en.wikipedia.org/wiki/Leonard_Bernstein#Personal_life 

・名前が出ていたM. T. Thomasも同じ(Boston SymphonyでのWinter Dreamsは愛聴)

・Elgar Cell Concertoで女性なら、個性的だったJacqueline du Pré  https://en.wikipedia.org/wiki/Jacqueline_du_Pr%C3%A9 がお約束

・劇場の音質は中低音強調、超低音はカット

 この中で、TARは男らしさを志向する(養子の「父」としての防衛発言、ボクシング練習、荒い運転など)、でありながら女性を感じている矛盾、持て余す才能とできない対人関係構築などの悩みがある。

 最後の20分は崩壊への道と事件と復活だろうが、過程が急なため心が寄り添えない。付け足しのような感じを受けた。

 キャリアの頂点で、独自の道を究めそして躓いたのは中森明菜(最近 「消えた歌姫 中森明菜」西﨑伸彦がある)を想い出す。

 似た事例では、富豪寄りでキャリアが抜群というイメージを逆手に取り、ヒラリー・クリントンを嫌わせ、トランプが当選したという「憎悪」の選択とも似ている。

この映画も、Cancel Culture( https://en.wikipedia.org/wiki/Cancel_culture )の事例との評価があるが違うと感じる。

 荊妻いわく5点満点で2.5、賛同する。英語が分かるのに、人間関係や名前が分かりにくいのが難点。しかし、濃密な映画であり観た後に心に引っかかる要素がある

 色々歩いて9千歩、5階登る

コメント
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