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円安と株高は外資系の思惑か:実態経済と乖離と投機

2023-06-08 02:26:36 | マクロ経済

 単純に通貨は、2国間の①PPP(物価)や②Real Interest Parity(実質金利差)により変動する。

 今回、円買いの株高だが、円安になっているのはヘッジ(オプション等)により円高押さえを同時にかましていると考える。時間経過と不定性を価格にするのがオプションであり、これが効いているうちは良いが、オプション価格の乖離や思惑の変化により思わざる逆回転と連鎖反応への反動はリーマン・ショックで証明された。

 外資系は株を釣り上げても、円高に振れさせるとドル・ベースの収入は増える。円を冷やしながら、株を熱しているようないびつな状況だ。

①について、内閣府レポート(図3  https://www.esri.cao.go.jp/jp/esri/archive/new_wp/new_wp070/new_wp066.pdf )によると、企業物価83円/$、消費者物価93円/$を示唆しているが、アメリカのインフレ進行を考えるとさらに安くなるだろう。当方の実感として65円/$位に思う。

 さすがに、政府も日銀もどうにかせねば投機筋に支配される。これはもともと日銀の黒田低金利・異次元緩和の継続という、世界でも我が国だけという異常な金融状況による。

 ②について、アメリカの10年債の利率は3.7%(5月末)、インフレは4.9%のため実質金利は▲0.8%、我が国は、同利率0.4%、インフレは2~3%(見込み)、2.5%とすると実質金利は▲2.1%、アメリカとのスプレッドは1.3%のため短期的な円の下落の説明要因とはならない。むしろ、日銀の「独自政策」を狙い撃ちしたシナリオ相場だろう。

 すべからく、日銀と政府は政策金利を上げ、イールド・カーブ・コントロールを止め、国債の買入を停止し、世界標準の「自由経済」の復活を目指すべきだ。

 アメリカでは空室率が上昇し、収益力の落ちた商業不動産のリファイナンスの融資額と利率のリスクが顕在化している。

 我が国が投機の草刈り場になってはいけない。また140円/$のレートでは復活したインバウンド観光でも「安い日本」で儲からない

 円安でないと輸出できない競争力のない製品づくりを脱し、「高くても売れます」製品を円高でも売れる企業・経営にするのが今の市場だ。しかも、ファブレスなど生産地と本社は分離されている。知恵を売る時代だ

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