2つの美術館 2016-09-27 | その他 9月24日付けNZZ(新チューリヒ新聞)で日本の2つの美術館が紹介されていました。 タイトル:空間のコンテナーと輝きのキャビネット 空間のコンテナーと名付けられたのは 大分県立美術館 写真は載っていませんが、その分本文の三分の二が充てられています。 設計者は坂茂で、一見したところミース・ファン・デル・ローエのベルリン新ナショナル・ギャラリーを思わせるが、菱形をモチーフとする二層構造は独自のもので、地元の伝統工芸・竹細工を継承しており、提灯のような軽やかさを強調している。内部と外部の流動的な結び付きによって、美術館であると同時に人々の集う文化センターともなっている。また微かに湾曲した内部の木製構造は、建築家の代表作であるメスのポンピドーセンターに通じるものがある。 輝きのキャビネットと名付けられたのは 富山市ガラス美術館(新聞記事の写真) 設計者は隈研吾で、ガラス、花崗岩、アルミニウムを用いた外壁は、繊細に分割されたキュービズムのレリーフのように見える。内部には図書館も併設され、木材を巧みに用いたホールには、外光が万華鏡のように演出され極めて快適である。北陸新幹線で東京から僅か2時間にあり、数々のガラス芸術作品が、見事な光の中に演出され、素晴らしい目の保養となる。 この記事で読むまで、私は2つの美術館を知りませんでした。ひょっとすると、日本に住んでいても、よほど現代建築に関心があったり、全国の美術館を巡り歩くほどの美術愛好家でなければ、知る機会がないかもしれません。 この記事は、スイスの読者に、日本に旅行して時間があったり足を伸ばしてみましょう、と薦めているように思えます。 大分県立美術館 大分県立美術館HP 富山市ガラス美術館 富山市ガラス美術館HP