みみずのしゃっくり

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錆びる蝸牛

2022-04-28 | おきにいり


何年も前にネット検索中とても綺麗なカタツムリを見つけダウンロードしました。

フォルダのどこかにあるはずなのですが見つからないので、改めて検索していたら、別の凄い方に出会いました


鎧(鱗)を身につけているところが凄いです





ドイツ語では鱗肢(ウロコアシ)カタツムリ(Schuppenfuß-Schnecke=シュッペンフス・シュネッケ)。
英語では鱗肢腹足類(Scaly-foot gastropod=スケーリーフット・ガストロポッド)。
日本語はウロコフネタマガイです。

カタツムリも貝(巻貝)も腹足類ですから、どの名称も妥当で、夫々の言語感覚による命名でしょう。深海の熱水噴出孔の周辺にお住まいです。
凄いのは、硫化鉄を成分とするウロコで肢が覆われていることです。一般的な巻貝と違って蓋が退化しているため、捕食者に出会うと鉄のウロコで身を守るということです。
しかし磁性をもつ硫化鉄は深海から地上に持ち出すと急速に酸化します(つまり錆びます)。

深海というのは宇宙にも劣らず人類未踏の世界で、ウロコフネタマガイも漸く21世紀になって発見され、早くも絶滅危惧種となっています。
生息域が極めて狭く、しかも海底資源のための試掘も予定されています。レッドリスト掲載種となれば、一定の配慮がなされることを研究者・関係者は期待しています。
ウィーンの自然史博物館にも標本2個体が寄贈されたそうですが、常時16度に保たなければならないという保存上の制約から展示はされていません。

こういう貴重な方々が、これからも地球上に生きていけますように








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