みみずのしゃっくり

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先住さん

2011-09-01 | おきにいり

先住さんと言っても猫さんではありません

どこでも長い歴史のある都市には、現代の人たちより遥か昔に住んでいた人たちがいました。

そういう意味で、私の住んでいる街の先住さんとして先ず思い浮かぶのが、この方。
(画像はWikiフリー画像です)



古代ローマ帝国5賢帝の5人目

哲人皇帝と呼ばれるマルクス・アウレリウス

あまりにも「有名人」なので、今さら・・・という感じもありますが、この人が、私の住んでいる街で1831年前に世を去ったと考えると、なにか不思議な気分になります。それに、私としては、大変尊敬している歴史上の人物です。


子供の頃読んだ「名言・格言集」に次のような言葉がありました。

最良の復讐とは、相手にされたのと同じことを決して、仕返さないことだ。

なんと高貴な言葉だろうと印象に残ったのですが、誰の言葉かは書かれていませんでした。その後、この街に住むようになってから「自省録」(レクラム版)を読み、上の言葉に行き当たったのです(第6巻の6番目の文章)。長年探していた人物に出会ったような感動がありました。

この文章については「敵が使ったのと同じ戦法を使うな」という解釈もあるようですが、「自省録」の他の文章から考えて、やはり「悪に悪をもって報いない」という自らへの戒めと理解するのが適切のように思います。

世界のあちこちで続く紛争の多くは、無限に続く報復の連鎖ですが、当事者双方が、マルクス・アウレリウスの言葉を実践したなら、たちどころに紛争は終わってしまうでしょう。少なくとも報復の連鎖は終わり、話し合いによる解決が可能になります。しかし、実行するのは難しい・・・

マルクス・アウレリウスが生きたのは波乱の時代で、本人も東奔西走の日々を送ったのです。晩年になって彼は、北方辺境を脅かすマルコマンニとの戦いを指揮するため、ヴィンドボナあるいはカルヌントゥムで過ごしたのです。「自省録」は、ドナウの流れを見ながら書きとめられたのかもしれません。

マルコマンニ戦争のときのアウレリウス帝


ヴィンドボナで陣没したマルクス・アウレリウス最期の言葉が、以前紹介した本に載っています。

「なぜ私のために泣くのだ?ローマ軍を救ったのは君たちだ。私は、君たちの前に立って歩いたにすぎない。ごきげんよう!」


「自省録」を原語で読むため、古代ギリシャ語を勉強しようと思ってダメだった話はこちら




     


ゴマグリモナカのMichimichiさんが描かれた脱原発ニャンコの缶バッジ


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