先住さんと言っても猫さんではありません
どこでも長い歴史のある都市には、現代の人たちより遥か昔に住んでいた人たちがいました。
そういう意味で、私の住んでいる街の先住さんとして先ず思い浮かぶのが、この方。
(画像はWikiフリー画像です)
古代
ローマ帝国の
5賢帝の5人目
哲人皇帝と呼ばれる
マルクス・アウレリウス帝
あまりにも「有名人」なので、今さら・・・という感じもありますが、この人が、私の住んでいる街で1831年前に世を去ったと考えると、なにか不思議な気分になります。それに、私としては、大変尊敬している歴史上の人物です。
子供の頃読んだ「名言・格言集」に次のような言葉がありました。
最良の復讐とは、相手にされたのと同じことを決して、仕返さないことだ。
なんと高貴な言葉だろうと印象に残ったのですが、誰の言葉かは書かれていませんでした。その後、この街に住むようになってから「自省録」(
レクラム版)を読み、上の言葉に行き当たったのです(第6巻の6番目の文章)。長年探していた人物に出会ったような感動がありました。
この文章については「敵が使ったのと同じ戦法を使うな」という解釈もあるようですが、「自省録」の他の文章から考えて、やはり「悪に悪をもって報いない」という自らへの戒めと理解するのが適切のように思います。
世界のあちこちで続く紛争の多くは、無限に続く報復の連鎖ですが、当事者双方が、マルクス・アウレリウスの言葉を実践したなら、たちどころに紛争は終わってしまうでしょう。少なくとも報復の連鎖は終わり、話し合いによる解決が可能になります。しかし、実行するのは難しい・・・
マルクス・アウレリウスが生きたのは波乱の時代で、本人も東奔西走の日々を送ったのです。晩年になって彼は、北方辺境を脅かす
マルコマンニとの戦いを指揮するため、
ヴィンドボナあるいは
カルヌントゥムで過ごしたのです。「自省録」は、ドナウの流れを見ながら書きとめられたのかもしれません。
マルコマンニ戦争のときのアウレリウス帝
ヴィンドボナで陣没したマルクス・アウレリウス最期の言葉が、
以前紹介した本に載っています。
「なぜ私のために泣くのだ?ローマ軍を救ったのは君たちだ。私は、君たちの前に立って歩いたにすぎない。ごきげんよう!」
「自省録」を原語で読むため、古代ギリシャ語を勉強しようと思ってダメだった話
はこちら
ゴマグリモナカのMichimichiさんが描かれた脱原発ニャンコの缶バッジ
必ず身に着けて歩くという方は、下をクリックして申し込み方法をご覧ください。
NO NUKES NECO project
色々な脱原発バッジがあります