みみずのしゃっくり

みみずのしゃっくりのように役に立たないことを不定期に書き込むブログ。
専属スターはいませんが、猫っぽい内容です。

ななみみず前身「みみざこ連」




仔ニャンコ・仔ワンコが新たなお家に迎えられるには、いつ頃が良いのでしょうか?
いわゆる「8週齢」問題については、こちらをご覧ください。六つ子の仔猫の動画もあります。

最新記事は、この下です↓
通常1日おきに更新の予定ですが、2日おき、あるいは3日おきになることもあるかも・・・(^v^;)

筏の15人

2017-02-07 | その他

ジェリコーの大作「メデューズ号の筏」は、ロマン派絵画の例として美術の教科書などにも載っていたりします。
私も子供の頃から、多分教科書や画集で作品の存在は知っていましたが、何か大きな海難事故があったのかなと思うくらいで、背景には無関心でした。





ところが、オーストリアの作家フランツォーベルによる最新著「メデューズ号の筏」の一部がラジオで朗読され、その歴史的事実に驚愕

1816年、フランスからセネガルへ向かったフリゲート「メデューズ号」が座礁し、救命ボートが足りなかったため、船の建材を使って大型の筏が組み立てられ、約150人の人々が筏に「積まれ」ました。2週間の漂流後、通りかかった船に救助されたとき、筏の上の生存者は15人だけでした。漂流中の筏では人肉食のほか様々な恐るべき出来事があったようです。あまり想像したくない恐るべき出来事の数々です。

画家ジェリコーは、この事件に大きな衝撃を受け、まだ写真のない時代なので、事件を絵画として後世に伝えようと考えました。病人や死体のスケッチなど数々の習作を描いた後、8ヵ月後にこの大作が完成しました。

フランツォーベルは距離を置くため、現代人の視線で書いているようです(本を読んでいないので、書評をネット検索)。

15分の朗読の時間で一番印象に残ったのは、筏の生き残りにひとりが画家に向かって言ったことです:「これは私たちじゃありません」

これはフランツォーベルの創作エピソードかも知れませんが「真実」だと思います。


フリゲート艦メデューズ号と事件の概要はメデューズ(帆船フリゲート)にまとめられています。

ジェリコーの絵画制作過程と作品が与えた影響についてはメデューズ号の筏に詳しく記されています。


 追記 

フランツォーベルがメデューズ号事件を取り上げた背景には、コスタ・コンコルディア座礁事故や近年続く地中海での難民ボート転覆事故の悲劇があると思います。

メデューズ号の筏で起こった惨劇は、既に座礁事故の段階で、ヒューマニズムのモラルが崩れていることに起因していると思います。筏を牽引する予定だった救命ボートは、牽引が不可能であり、このため筏の人々がボートに殺到することを恐れて、すぐにロープを切り離しています。こうした状況で人々は統率の取れた集団ではなく、烏合の衆と化していたのでしょう。
たとえ一定の指揮系統が機能していたとしても、400人に上る乗員(乗組員と乗客)を一貫して誘導するのは困難でしょう。

対照的なのは2010年に起こったチリでの鉱山落盤事故です。坑道に閉じ込められた33人の作業員は数人のリーダーのもとに団結し、事故後18日目から地上の救助チームと連絡が始まり、事故後69日目に全員救出されています。

2015年欧州難民危機の後、バルカン・ルートがほぼ遮断されてから、再び危険な地中海が主要ルートとなり難民ボートの事故が続いています。






美男の基準

2017-02-05 | おきにいり

美男の基準はなんでしょう

ヨーレシュ伯母様の基準は明快です
 
「男がサルより美しかったら、それは贅沢と言うものです」

まあ、Wiki.Commonsの骨格比較を見ても(人間側の主観的基準で見れば)人間の骨格がスマートですね。



尤も、他の方々(チンパンジー、ゴリラ、オランウータンなど)の美的基準で見れば評価は違うかも知れません

ヨーレシュ基準を敷衍すれば「女がサルより美しかったら、それは贅沢」ということになるのでしょうか


      


ヨーレシュ伯母様はフリードリヒ・トールベルクの「ヨーレシュ伯母様」に登場する人物で、いわば「キーパーソン」です。
以前の記事「三十年戦争は何年続いたか」をご覧ください






初雪見

2017-02-03 | かりねこ

初雪を見たのではなく、猫さんが初めて雪を見た「初の雪見」です






犬さんが雪の中をウロウロしているのに比べて、猫さんは戸惑っているのでしょうか

でも、部屋に逃げ帰るわけでもなく、けっこう勇気のある猫さんかな


オーストリアの新聞HPに載っていたYouTube動画です。



 今日の蛇足:立春

日本では節分の次の日が立春・・・というのは江戸時代頃から定着したようです。

キリスト教の聖燭祭は2月2日(クリスマスから40日後)。
この日は、古くは農民の1年の始まりとされ、この頃から又戸外での農作業が可能となるという節目でもありました。その他数々の風習があったようですが省略

ドイツ語の通称リヒトメス(Lichtmess)は光(Licht)を連想させます。冬至の頃と比べて日照時間が大分長くなっているので、この頃から、またロウソクなしでも夕食が食べられるようになります(昔は夕食の時間も早かった)。

「この日が穏やかな好天だと冬が長く続き、嵐になれば春が早く来る」という伝承もあったようですが、今の人たちは気にしませんね。

(出典は独語ウィキです)


詳しくは英語ウィキをご覧ください。






ワニ番

2017-02-01 | おきにいり

今年は酉年だから、というわけではなく、自然史博物館で新たに見つけた可愛い鳥さんです

ウィーンの博物館や美術館には「年間パス」を発行しているところが多く、私は自然史博物館と応用美術館の年間パスを持っています。
自然史博物館の展示品は多く、1回では見切れない上、何回見ても見逃すものもあります。
数日前に行ったときは、この「ワニ番」さんを見つけて、可愛いなと思いました。(カメラは持っていかなかったので、ウィキ・フリー画像です)




日本語名はナイルチドリ(ワニチドリなど)ですが、ドイツ語名はクロコディルヴェヒター(Krokodilwaechter)で、直訳すれば「ワニ番」。




古くから「ワニの口に入って歯についた肉の残りなどを食べる」と伝えられ、上のようなイラストもありますが、その現場を見たり撮ったりした記録が無いため、単なる「言い伝え」ではないかとされています。
ワニの背中に乗ったりするのは、ワニから見て小さいので、食事の対象にされないためかなとも思います。


 今日の蛇足

久しぶりの「正しい冬」



1月31日に撮った写真です。ベランダにうっすら積もった雪が消えません。
ウィーンの「正しい冬」は氷点下5度から10度くらいのはずが、もう十数年、地球温暖化のせいか氷点下の殆ど無い冬が続いていました。
1月半ばにウィーンに戻って以来、ずっと氷点下5度前後が続いています。正しい冬です。


ウクライナ東部で又戦闘が激化していると報道されています。オバマ大統領までと違い、トランプ大統領はロシアと仲良くすると言っているので、ウクライナが無視されるのではと危惧する声もあります。