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睡眠時無呼吸が糖尿病黄斑浮腫のリスク因子か
- 提供元:
- HealthDay News
- 公開日:2019/11/27
睡眠時無呼吸が、場合によっては重度の視覚障害につながる糖尿病性眼疾患のリスク因子である可能性が、長庚記念病院(台湾)のJuifan Chiang氏らにより、第123回米国眼科学会年次総会(AAO 2019、10月12~15日、米サンフランシスコ)で報告された。
糖尿病の血糖管理が不良だと、眼底の細い血管が損傷されることがある。これは糖尿病網膜症と呼ばれ、先進諸国では成人後の主要な失明原因の1つとなっている。また糖尿病網膜症の患者の一部で、血液や液性成分が網膜に漏れ出して、眼底中央に位置し網膜の中でも視力にとって非常に重要な「黄斑」と呼ばれる部分にむくみが生じる(黄斑浮腫)ことがある。黄斑浮腫が起きると仮に黄斑以外の網膜が正常でも、視力が極端に低下してしまう。
一方、睡眠時無呼吸は、睡眠時に呼吸が繰り返し停止するもので、血液中の酸素濃度が低下する。睡眠時無呼吸の患者は高血圧、心疾患、脳卒中、2型糖尿病の高リスク状態であることが知られている。また、睡眠時無呼吸に伴うインスリン抵抗性や炎症反応、高血圧は、糖尿病網膜症の発症や進展に影響を及ぼすと考えられている。
今回の研究では、糖尿病患者のうち網膜症を発症している51人を対象として8年間の患者データを調査した。その結果、糖尿病黄斑浮腫のある患者は黄斑浮腫がない患者よりも、睡眠時無呼吸を有する率が顕著に高いことが明らかになった(80.6%対45.5%)。
また睡眠時無呼吸が重症であるほど黄斑浮腫の重症度も高いという関連が見られた。重度の睡眠時無呼吸がある場合は黄斑浮腫の病勢を制御するためにより多くの治療が必要となり、眼科的な薬物療法あるいはレーザー治療が少なくとも3回以上施行されていた。
Juifan Chiang氏は「今回の結果から、糖尿病黄斑浮腫のリスク因子としての睡眠時無呼吸に、より多くの専門家が注目することを期待したい」と述べ、「それにより、早期の医学的介入が実現されて、糖尿病患者の視力を保ち全身的な健康を維持することにつながるだろう」としている。
なお、学会発表された研究結果は、査読を受けて医学誌に掲載されるまでは一般に予備的なものとみなされる。
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● 見苦しい糖尿病の研究者達。
勝負は終わった・2型糖尿病。