フィールドノート

連続した日々の一つ一つに明確な輪郭を与えるために

11月8日(木) 晴れ

2007-11-09 00:01:06 | Weblog
             明日

           ひとつの小さな約束があるといい
           明日に向かって
           ノートの片隅に書き留めた時と所
           そこで出会う古い友だちの新しい表情
           
           ひとつの小さな予言があるといい
           明日を信じて
           テレヴィの画面に現われる雲の渦巻き
           <雨のち晴>天気予報のつつましい口調
           
           ひとつの小さな願いがあるといい
           明日を想って
           夜の間に支度する心のときめき
           もう耳に聞く風のささやき川のせせらぎ

           ひとつの小さな夢があるといい
           明日のために
           くらやみから湧いてくる未知の力が
           私たちをまばゆい朝へと開いてくれる

           だが明日は明日のままでは
           いつまでもひとつの幻
           明日は今日になってこそ
           生きることができる
           
           ひとつのたしかな今日があるといい
           明日に向かって
           歩き慣れた細道が地平へと続き
           この今日のうちにすでに明日はひそんでいる

           (谷川俊太郎『魂のいちばんおいしいところ』より)

           
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