8時半、起床。晴天である。私は朝起きるとまず書斎に行って小雀の籠にかけてある布を取る。「お早う、チュン」と言いながら、窓のカーテンを上げる。そのとき青空が広がっていると気持ちがいい。小雀もそうなのだろうか。それはわからない。日曜の朝の楽しみである新聞の書評欄を読みながら、ベーコン&エッグの朝食。黒岩比佐子『パンンとペン 社会主義者堺利彦と「売文社」の闘い』(講談社)と片山恭一『どこへ向かって死ぬか 森有正と生きまどう私たち』(NHK出版)に興味がわいた。
正午になる前、ショルダーバッグにほぼ日手帳カズンと文庫本を入れて散歩に出る。まず、くまざわ書店の新聞の書評コーナーに行って、上記の2冊と以下の4冊を購入。散歩の最初に本を6冊も購入するのは荷物になるので賢いやり方ではないが、今日の散歩は近場のつもりだし、購入したばかりの本をカフェで読むのは楽しいものである。
四方田犬彦・平沢剛編『1968年文化論』(毎日新聞社)
木村敏『精神医学から臨床哲学へ』(ミネルヴァ書房)
『大岡信講演集 日本の詩歌の特質』(花神社)
柘植あづみ『妊娠を考える <からだ>をめぐるポリティクス』(NTT出版)
池上線に乗って池上へ。「薫風」でランチ。生姜焼きを注文してから、テーブルの上に購入したばかりの本を積み上げて、一冊ずつ手に取っていく。ここは注文してから料理が出てくるまでにけっこう時間がかかるが、そんなことは全然気にならない。厨房から生姜をおろすシャリシャリという音が聞こえてくる。やがて麦豚と玉葱を炒める音が聞こえて来る。新鮮な生姜の匂りが鼻の奥を刺激する。
食後の珈琲を飲み終えて、店を出る。その足で「甘味あらい」へ。最近、地元のケーブルテレビの番組「三ツ木清隆の散策のススメ」で「甘味あらい」が紹介されたのだが、「観ましたよ、ご主人」という話になる。俳優の三ツ木清隆(私とは一つ違いで、『光速エスパー』の主人公といえば、わかる人にはわかるであろう)が池上七福神を回りながら、「甘味あらい」で一服するというシチュエーション。贅沢あんみつを食べながらご主人と話をする場面がけっこうな尺で使われていた。本当は、奥さんが話の相手をする予定だったのだが、収録の時間が早まり、奥さんが現場に間に合わなかったのだ。番組では三ツ木が暖簾をくぐるとご主人と奥さんが笑顔で彼を出迎えているが、その場面は実際は最後に収録したのだそうだ。ご主人の語りは自然な感じでなかなかよかった。「カメラが少し離れた場所に置かれたので緊張せずにすみました」とのこと。三ツ木からあんみつの食べ方について聞かれて、まずは蜜をかけずに餡や果物やアイスクリームをあれこれつついて、寒天が顔を見せたら蜜をかけるといいと言っていたのが印象に残った。今日はその方式で栗あんみつを食べた。なるほど、白玉(オプション)は蜜をかけてツルリと食べるのもいいが、蜜はかけずに餡ころ餅にして食べるのも美味しいものである。話をしていたらお客さんがどんどん入ってきたので、今日は珈琲は注文しないで、席を立つ。会計のときに、「店に通い始めた頃のブログをチェックしたら、やっぱり奥さんが和服を着ていたと書いたありましたよ」と言うと、奥さんは、「それは幻想ですよ」と言ってフフフと笑った。
そろそろ栗あんみつも食べ納め
師走に入ってお雑煮と甘酒がメニューに加わった。
蒲田に戻る前に、古本の大黒に寄る。杉本秀太郎編『音楽と生活 兼常清佐随筆集』(岩波文庫)を購入。版元品切れ中の一冊である。千円也。「ルノアール」で読書と日誌書き。いったん帰宅して、仕度を整えて、ジムへ行く。筋トレ2セットと有酸素運動35分。「緑のコーヒー豆」は閉まっていたので、そのまま帰宅して、風呂に入る。心地よく疲れる。