フィールドノート

連続した日々の一つ一つに明確な輪郭を与えるために

12月28日(火) 晴れ

2010-12-29 03:20:19 | Weblog

  9時、起床。カレーライスの朝食。イチローみたいだが、たんに昨日の夕食(私は食べなかった)の残りものである。小鳥の病院に電話してみたが、応答なし。やっぱりもう休みに入っているのだ。年明けの諸会議のための議案書やメモを作成して、事務の担当者に送る。今日は大学の事務所も仕事納めだ。
  昼から母と鶯谷の菩提寺に行く。今日は寒さも和らいでいる。現地で妹と合流。墓参りを済ませて、寺の近所の蕎麦屋「川しま」で昼食。秋の彼岸のときに来て、満席で入れなかった店だが、今日はすんなり入れた。鴨南蛮を注文。非常にレベルの高い一品だった。とくに汁がいい。東京のそば汁は東京育ちの私でも辛いと感じることが多いが、ここのそば汁は関東風とも関西風とも違う、独特のものである。鴨肉の旨みの染み出した汁に熱々のそば湯を注いで最後の一滴まで飲み干した。母はおろしそば、妹は鴨つくねせいろをそれぞれ注文したが、そちらも満足すべきものだったようだ。ぜひまた食べに来たい店である。

  御徒町に買物に行く母と妹とはここで別れて、私は大学へ。諸々の雑用を片付けてから、今日が本年最後の営業の「maruharu」に顔を出す。野菜サンドと珈琲を注文。「本日のサンドウィッチ」を別にすれば、定番のメニューの中で一番のお気に入りが野菜サンドである。私はこの店の野菜サンドを食べるようになって野菜の美味しさというものを再発見した。とくにそれまで苦手だったセロリを美味しいと感じるようになったのが人生の一大事である。セロリは好き嫌いのない私が唯一苦手とする食材だったのだが、これで苦手なものが世の中からなくなってしまったのだ。もう私はトンネルズの「食わず嫌い王決定戦」からオファーが来ても(来ないとは思うが)、出場することができない。

  野菜サンドを食べていたら、常連客のお腹の大きな女性が男の子をベビーカーに乗せてやってきた。来月が出産予定で、本当にお腹が大きい。9ヶ月目あたりからずんずん大きくなりましたとのこと。今日、歯科医院を辞める武蔵村山さんは7ヶ月目で、まだお腹はポッコリ程度だが、これからなのだなと思った。
  マダムに「よいお歳を」の挨拶をして店を出ると、夕暮れになっていた。穴八幡やその隣の放生寺の灯りが映える。穴八幡は「一陽来復」で、放生寺は「一陽来福」。前者が正統であるとは思うが、「復」を「福」にした機知は庶民的である。道を隔てた戸山キャンパスは、教室に灯りがなくて、ひっそりとしている。

  あゆみブックスツで、『ユリイカ』1月臨時増刊号(総特集:村上春樹)と植村邦彦『市民社会とは何か』(平凡社新書)を購入。丸善丸の内店に寄って、能率手帳の補充ノートを購入。店内のカフェでオレンジフロートを飲む。手帳を開いて年末年始の予定を確認する。一日に一件のタスクがあるが、できるだけのんびりと過ごしたいと思う。