9時、起床。パンと牛乳のシンプルな朝食。体重コントロールの必要上である。パンには柑橘類のピューレが入っているので、乾燥したマーマレードの風味がする。
午後、どこに出かけようか、方針が決まらないまま、散歩に出る。とりあえず昼食は「元祖平壌冷麺食道園」で冷麺(大辛)を食べる。今年の夏はこの店に来る頻度が高くなりそうな気がする。
今日は遠出はせず、蒲田散歩と決める。ただし、地元である蒲田駅西口ではなく東口方面を歩くことにする。西口はJR蒲田駅から離れるほど商店街から住宅街へと変化していくが(一般的にそういうものであろう)、東口の場合はそのまま京浜急行の蒲田駅に続いているので、ずっと商店街が続くのが特徴である。そして、西口よりディープな感じが漂っている。
東口中央通りを歩く女の子
十字路を横切る女性
日曜の昼間は閉まっている店が多い
居酒屋「蛸十」の前の3台の自転車
あっ、電動式自転車だ
「大女優」という店名がいい
駅構内のコインロッカーとは利用者層が異なる
腰に手をあててコミックの棚を眺める男性
頭を掻きながら路地を歩く男性
進化論的な歩み
かつてどこの商店街にも「洋品店」というものがあった
店頭のバッグの山
ふかきょん×2
剥がさないでね
かつてどこの商店街にも「古本屋」というものがあった
「178」とは何か? 「伊奈屋」とか?
京急蒲田駅に到着
喫茶店で一服。ホットケーキとコーヒーのセットを注文(680円)。
狭い店で、隣の席の男女の話が聞こうとしなくても聞こえて来る。二人は地元の学校の同窓生らしい。女性の方はこの秋に結婚する。いわゆるできちゃった婚である。夫となる人の社会・経済的条件は申し分ないが、彼女は本当はまだ家庭に入りたくはないようである。まだ遊びたいのである。そんな話をしている。喫茶店ではこうした話が(他人が聞いているのに)平気でできてしまうところがある。きわめてプライベートな話をする公共的な空間である。同じく他者といる空間でも、電車の中ではこうはいくまい。
唐突に、彼女の口から「生涯未婚率」という言葉が出た。「ショウガイミコンリツ?」と男性が聞き返した。「一生結婚しない人の割合のことよ。10%を越えたんだって」と彼女は答えた。うん、その通り。ただし、それは女性の数値で、男性は20%だと私は心の中で注釈を加えた。彼女は話を続けた。「結婚できる人とできない人に二極化している気がする。私の周りの女の子たちも、こんな可愛い子になぜ彼氏がいないの?という子がけっこういるわ」。
なるほどね。現代社会は恋愛結婚至上主義だから、結婚するためにはその前に恋愛をしないとならない。でも、恋愛のチャンスというのはどこにもでころがっているわけではないし、誰もが簡単にめぐりあったチャンスを生かせるわけでもない。生涯未婚率の上昇の背景には恋愛をめぐる困難の問題がある。家族社会学者の山田昌弘さんがよく言っていることだが、彼女、山田さんの書いたものを読んだのだろうか。そうした状況の中で、彼女は自分が「勝ち組」であることを自覚している。そして勝ち投手が試合後のインタビューで、「もうちょっと長く投げたかったですけどね・・・」と余裕で答えている感じがあった。
ホットケーキとコーヒーのセット(680円)
蒲田駅に戻る。駅前では地元のアマチュアバンドたちのコンサートが開かれていた。しばらく立ち止まって聴く。
レイナと呼ばれる女性ボーカル
今日の散歩はここまで。呑川沿いの道を通って帰る。
川端の鈴木旗染店は健在である