フィールドノート

連続した日々の一つ一つに明確な輪郭を与えるために

4月15日(火) 晴れ

2014-04-16 11:09:56 | Weblog

     8時、起床。

     一昨日の夕食だったすき焼きが冷蔵庫に残っているので、すき焼き丼の朝食。

     ご飯が中途半端に残ったので、ちりめんじゃこでお茶漬け。

     庭先の小手毬が咲き始めた。

     午後、散歩に出る。「あるす」でコーヒーを飲もうと歩いていて、途中で、お腹が減っていることに気づいて(昼食がまだだった)、女塚通り商店街にある「吉岡家」に入る。派出所の向かいにある蕎麦屋で、前は何度も通っているが、入るのは初めて(だと思う)。ここの主人は保育園(女塚保育園)のときの同級生である。といっても向こうは私のことは覚えていないだろう。私が彼のことを覚えているのは、ひとえに家がお蕎麦屋さんであったからである。家が食堂というのは、小さな子供にとって憧れの的であった。毎日好きなものが、美味しいものが、食べられるに違いない、そう思っていたのである。

     蒲田は商業地区であるから、商店の子が多かった。家が本屋というのもパラダイスだと思った。家がおせんべい屋さんというのもなかなか素敵だと思った。家が牛乳屋さんというのはいまいちだった。牛乳は毎朝一本飲んでいて、それで十分だと思った。家が洋品屋というのはどうということはなかった。家が歯科医院というのはゾッとした。私の父は千代田区役所の職員であった。可もなく不可もなくというところだった。

     戸を開けて店内に入るとき、店の奥にいた主人と目があったが、ランチタイムを外れた時間(午後3時半)にやってきた客という認識しかないようである。無理もありません。卒園以来(54年間)会っていないのだから。

     たぶん奥さんだろう、店員さんに野菜天せいろを注文する。メニューはとても豊富で、頑張っているなという感じが漂っている。

     先客は女性の一人客だけで、すでに食事中で、注文は私一人分だけであると思うが、出て来るのにけっこう時間がかかった。たぶん天ぷらを揚げる時間だったのだろう。厨房から天ぷらを揚げるパチパチという音が聞こえてくる。

     蕎麦も天ぷらも美味しかった。「へぇ」と思うくらい美味しかった。どこの街にもあるありふれたお蕎麦屋さんだと思っていたので、これは意外だった。天ぷらは当然のことながら熱々で、どんなに立ち食いそば屋のレベルがあがっても、これだけは太刀打ちできない(私が知らないだけで、注文ごとにその場で天ぷらを揚げる立ち食いそば屋があったらごめんなさい)。

     ごちそうさまでした。また来ます。次は何を食べようかな、と考えながら、店の前の道路で店舗の写真を撮っていたら、後ろから、「ブログの写真ですか?」と誰かに声をかけられた。振り返ると、向かいの交番のおまわりさんだった。「蒲田は蕎麦屋さんが多いですよね。女塚小学校の前にも蕎麦屋さんがありますよ」。「ええ、知ってます。入ったことはないけど、立派な構えの蕎麦屋さんですね。」職務質問とかされるのかと思ったら、お蕎麦屋さんについての雑談になった。「警察官」ではなく、「町のおまわりさん」という感じの方だった。

     食後のコーヒーを飲みに「あるす」へ。 

     店内にはマスターひとりだった。モカを注文。

     前回来たときにお庭で撮らしていただいたご夫妻の写真をプリントアウトしてきたので、お渡しする。喜んでいただけてなによりである。

     そのうち奥様も出て来られて、紅茶をお菓子をいただきながら、3人でおしゃべり。東京オリンピック(1964年)の話など。その年にお二人は結婚されたのである。

     本日の夕食は鮭の西京焼きとほうれん草の卵とじ。ほうれん草は「宮本農業」のものである。 ほうれん草らしいほうれん草。

     深夜、wowowシネマで、深作欣二監督の『仁義なき戦い 広島死闘篇(1973年、シリーズ第2作)』を観る。傑作とは聞いていた、たしかに傑作だ。作品の内容もさることながら、撮影の現場の熱気がひしひしと伝わってくるところがいい。

     映画を観終わって、寝る前にメールをチェックすると、2000年卒のMさんからメールが届いていた。彼女は土日が出勤の仕事をしているため、先日の還暦の会には来られなかった。もうかれこれ7年ほど会っていない。当日、出席していた人たちに「Mさんはどうしているの?」と私が聞いていていたのがMさんの耳に届いたのだろう。

     60歳になるというのは、それ自体はそれほど嬉しいいことではないが、「還暦効果」とでもいうのだろうか、しばらくご無沙汰していた人たちから連絡をもらえるといのが嬉しい。「還暦効果」はしばらく持続しそうである。Mさんとも近々会うことになるだろう。