フィールドノート

連続した日々の一つ一つに明確な輪郭を与えるために

6月2日(金) 雨、風強し

2023-06-03 13:12:22 | Weblog

8時、起床。

朝刊の一面に「藤井最年少七冠」の見出し。現在、将棋界には8つのタイトル戦がある。そのうちの7つを藤井が独占しているということである。残る「王座」は永瀬拓矢が持っていて、挑戦者を決めるトーナメント戦が現在進行中である。藤井はいまベスト8まで勝ち上がっている。あと3つ勝てば挑戦者になれる。そうなると秋に永瀬王座との5番勝負となるわけだが、それまでに棋聖戦5番勝負と王位戦7番勝負に勝って防衛しなくてはならない。大変だが、藤井はまだ番勝負で負けたことがない。藤井に1局勝つことは不可能ではない(今期の名人戦も渡辺は藤井に1局勝っている)。しかし、番勝負で勝ち越すこと(5番勝負なら3勝、7番勝負なら4勝)は、藤井が体調を崩すとか不測の事態が生じない限り(超過密なスケジュールでそれだけが心配だ)、不可能である。それくらいいまの彼は頭抜けているのである。

下の写真は2018年に将棋会館で販売していたクリアーファイルである。8大タイトルを8人の棋士が分かち合っている。まさに群雄割拠。藤井はこの年、15歳9カ月で史上最年少の7段に昇段し、新人王戦(トーナメント戦)に優勝しているが、まだタイトル戦の舞台には登場していない。タイトル戦への初登場は2020年の棋聖戦で、当時の渡辺明棋聖を3-1で破り、初タイトルを獲得した。17歳11カ月でのタイトル獲得は史上最年少だった。以来、藤井はタイトル戦(挑戦にしろ防衛にしろ)で負けたことがない。

トースト(はちみつ&オリーブオイル)、目玉焼き、ソーセージ、サラダ、牛乳、紅茶の朝食。

1時を回った頃、昼食を食べに出る。雨が降っているが、3時からオンラインのゼミが始まり、終わるのは7時頃であろうから、ここで外出しておかないと一日中家に籠っていることになる。私はそういうのはダメなのである。

家から近い「バインミーシンチャオ」に行く。

先客がテーブル席に二組いた(写真は彼らが出てから撮ったもの)。私はカウンター席に座った。

海老とアボカドのバインミーとコーラ。食事をしながらゼミの資料に目を通す。

二軒隣(同じビル)の「ルージュブランシュ」で食後のお茶をする。

さて、スイーツは何にしようかな。

レモンパイと紅茶。

レモンパイと言われなければレモンパイとはわからない形状をしている。

ずいぶんと風が強くなっている。道行く人たちが傘を差すのが困難である。

風が弱まるタイミングを待って店を出て、3時ちょっと前に帰宅。

チャイがベランダに出たがるので出してやる。

出たことを反省しているようである。

3時からオンラインゼミ。大学の教室から参加している者もいる。大学で対面授業をやっている教員もいるのか。帰りの交通機関が心配である。とくに強風は大敵で、電車が止まることはしばしばである。こういうときこそ大学は、個々の教員の判断に委ねるのではなく、オンライン授業で行うように指示を出すべきではないだろうか。学生は大学の徒歩圏内に住んでいるわけではないのだ。

4限は3年生のグループ発表。テキスト『社会学』(有斐閣)第5章「メディアとコミュニケーション」を素材として。

5限は4年生のゼミ論中間報告を2件。

 「子育てやしやすい社会ー芦屋における地域の子育て支援の可能性」

 「オタクであるということはその人にとってどういうことであるのか」

7時、終了。無事帰宅できますように。

夕食はカレーライス、サラダ、牛乳。私も妻もカレーライスのときは水ではなく牛乳を飲む。ラッシーみたいな感覚なのである。

食事をしながら『正義の天秤』第4話(録画)を観る。シーズン1(刑事事件担当)の鷹野(亀梨和也)以外の4人のメンバーが各回の案件の担当弁護士となり、それを鷹野がサポートするという形式をとっている。第4話は元刑事だった梅津清十郎(佐戸井けん太)がメインの話だった。こういうのは出演者もハリがあるだろう。

ユーチューブで名人戦第5局の解説を改めて見る。終局後に渡辺明が自身のツイッターで「4六角から6六角に至る局面が全く読めていなかった」(意表を突かれた)と率直に語っている局面が気になったのである。

局面は後手(藤井)の3七成り銀に先手(渡辺)が2四飛と走って歩を取ったところ。次に角を取る手や2三桂と打つ手を見ている。

ここで藤井の指した4六角が渡辺の読みにない一手だった。飛車取りと渡辺の攻めを牽制しながら先手の玉に狙いを定める攻防の一着である。この手に対して先手は3四飛と歩を取りながら飛車を逃げた。

ここで藤井の指した6六角が再び渡辺の意表を突いた手だった。普通に同金と応じればAIは依然として先手の優勢と判断していたが、渡辺はそうは指さなかった。ポイントは藤井がわずか30秒で6六角をさしたことにある。これが長考してさされた手であれば、渡辺は冷静に同金と応じたのではないだろうか。藤井が苦慮して(自分が劣勢であることを自覚しながら)指した手であると理解するからだ。それが30秒(待ってましたという感じで)で差されたので、渡辺は自分に何か重大な見落としがあったのではないかと疑心暗鬼になったのではないかと思う。

渡辺は同金とはせず、2三桂馬と指した。攻めを急いだ手である。藤井は2二玉と上がり、渡辺は3一銀と王手をした。明らかな攻め急ぎであり、AIは形勢逆転と判定した。藤井は同金と応じ、渡辺の同成り桂に冷静に3三歩と打って、渡辺の攻めは切れた。

「4六角から6六角に至る局面が全く読めていなかった」と渡辺が嘆いたのこの一連の手順だったのである。

今日の歩数はわずかに1420歩。雨の中、昼食を食べに出ていなかったら、私は自宅内ではスマホを持ち歩かないので、ほぼ0歩であったことだろう。

午後から晴れるようである。少し遠出をしようかな。

レビューシートのチェック。

風呂から出て、まだ観ていなかった本日の『らんまん』を見る。長屋の女たちの過去の恋バナを聞いて、寿恵へのプロポーズを決意する万太郎。「白梅堂」へ出向いたが、寿恵は留守だった。母親と職人(万太郎は父親と勘違いしている)に向かって「しばらくの間仕事(植物学)に専念して、必ず寿恵さんに結婚の申し込みをしにやってまいります」と宣言する万太郎。はたして母親は万太郎の訪問(決意表明)を寿恵に伝えてくれるのだろうか。

『ジェットストリーム』(村上春樹のエッセー集『走ることについて語るときに僕の語ること』を福山が朗読する)を聴きながら今日の日記を付ける。

1時、就寝。